当マガジンでは塩麹と寒麹の作り方やそのレシピを紹介してきました。両方とも麹と塩をベースにした調味料であるため、「そもそも塩麹と寒麹は何が違うのか」というご質問を受けましたので、その比較、使い分けのコツを紹介します。
塩麹、寒麹の作り方はページ下部【関連記事】からお入りください。
材料の違い~水を加える塩麹、ご飯を加える寒麹
塩麹は、米麹に塩と水で作りますが、寒麹は水は一切加えず、もち米かうるち米を炊いたご飯を加えて作ります。この違いにより、塩麹はさらっとしていますが、寒麹はとろりとした感じに仕上がります。米はもち米の方が甘味が強くなります。
熟成期間の違い~短期勝負の塩麹、半年以上我慢の寒麹
塩麹の熟成期間は1~2週間で出来上がります。
一方、寒麹は半年以上熟成させる必要があります。またその名の通り、寒い時期に作って夏を越して熟成させると、最も美味しく出来上がります。
味の違い~キレのある塩麹、甘味が強くコクがある寒麹
塩麹はさらっとしてキレのある塩旨味が感じられます。
寒麹は濃厚で強い甘味と塩旨味があり「甘じょっぱい」という感じがします。
料理の違い~あっさり仕上がる塩麹、濃厚に仕上がる寒麹
塩麹はさらっとした塩旨味で、きゅうりや鶏の胸肉、おかゆなど素材の味が優しいものに向いています。醤油代わりに使うこともできるので、白く仕上げたい料理にも便利です。さらに他の素材、たとえば当マガジンでも紹介しているトマトやタマネギ、青ネギなどと合わせて新たな味の麹(トマト麹、タマネギ麹など)を作るのにも向いています。
寒麹は豚肉や牛肉、魚でも脂のあるものなど、素材そのものの味が比較的強いものに向いています。また甘味が強いので、甘辛味が合う料理に使えます。
比較するとかなり違いが
まろやかな塩味と旨味の塩麹鶏の唐揚げ
脂ののったブリかまの寒麹漬け焼き
塩麹は作る時期を選びませんが、寒麹を美味しく作るには今が最後の仕込み時です。特別な材料はいらず作り方も簡単なので、ぜひ作ってみてください。塩麹と寒麹の使い分けができれば、発酵調味料を使ったレシピの幅が一層広がります。
(文責・編集部)
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