人間にとって厳しい夏ですが、この環境は高温好きの菌の発酵に適した時期なのです。中でも酢を作る酢酸菌は高温好きで、今が絶好の時期。いろいろな酢を作るチャンスです。今回は2回にわたり、酢の代表選手、「米酢」を作ります。「米酢」を作るには酢酸菌が必要ですので、生きの良い酢酸菌を得るための「種酢」を作ることから始めます。
「種酢」の作り方
以前ご紹介した「柿酢」「ビワ酢」「梅エキ酢」などをお持ちの方はこれらが「種酢」になりますので使ってみてください。今回はこうした「種酢」がない方向けです。作り方はとても簡単な上に、酢酸発酵の最適温度は30℃前後なので、常温で放置しておくだけで元気に発酵してくれます。
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【材料】
・純米酒:100cc
・水:100cc
・酢(穀物酢、純米酢なんでも可):100c
・リンゴ(皮のみでも可)、レモン、ブドウ(皮ごと)などの果物:50g程度(多くても可)
・ガラス瓶などの容器
・瓶のふた用のさらし、ペーパータオルなど:1枚
リンゴは種も皮も使ってOK
【作り方】
1./ガラス瓶などに、手でつぶすか、切った果物を入れる。
2./酒、水、酢をボウルに入れてよく混ぜ、1に入れて、さらしやペーパータオルで覆って輪ゴムなどで留めてふたをする。
液に対して果物多めでもOK
3./この時期なら3~5日程度で酢酸菌膜が張りはじめる。菌膜はなるべく壊さないように、かき回さずそっと置いておく。
7日後。美しい模様の酢酸菌膜
4./仕込みから3週間程度置いてから、味を見て十分酸っぱければ出来上がり。種にした果物をこして、取り除いておく。
これで「種酢」ができました。次回はこの「種酢」を使って純米酒で「米酢」を作ります。
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