ビワがたわわに実る頃になりました。ビワは比較的強く、どこに生えていても実をつけやすい植物です。ただ、手入れしないビワは小粒で酸っぱく、あまり美味しくないことも。そこでこの実を使って「ビワ酢」を作ります。手作り酢は夏の間の楽しみ。酢は今頃の気温が最適な発酵温度です。βカロテンやポリフェノールをたっぷり含む「ビワ酢」、ぜひ挑戦してみてください。
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「ビワ酢」の作り方
「柿酢」や「梅エキ酢」同様、材料のビワは酸っぱくても小粒でもキズ物でもなんでもOKです。材料はビワとスターターとして使うドライイーストだけです。
【材料】
・ビワ:梅酒用の瓶に入るだけの量
・ドライイースト:小さじ1/2
・梅酒用のガラス瓶
・さらしのふきん
小粒で酸っぱく、生食に適さなくても可
【作り方】
1./ビワは軽く洗ってザルに上げ、水を切る。尻の部分を切り落とす。
2./熱湯消毒した梅酒用のガラス瓶にビワをヘラでつぶして押し込んでいく。
3./ドライイーストを加え、さらしのふきんなどでフタをして輪ゴムでとめ、常温で発酵開始。
ヘラで押して瓶に詰め込む
4./仕込みから2~3日経つと細かい泡がシュワシュワ出てきて、10~14日ぐらい発酵が続く。時々ヘラなどでかき混ぜるとだんだんビワが崩れ、果汁が出てくる。ビワは空気に触れると黒ずむので、なるべくビワが空気に触れないように果汁に沈めるようにする。
3日目。早くも果汁がたっぷり
14日目。ビワの形が大分なくなる
5./20日ぐらい経つと酢酸菌膜が張り、酢臭がしはじめる。酢酸発酵が始まったしるし。こうなれば一安心。さらに静かに発酵させる。
6./2ヵ月ぐらいしたら酢酸発酵終了。ペーパータオルやさらしなどで絞り「ビワ酢」の出来上がり。「柿酢」や「梅エキ酢」よりもさらっとしているので、絞りやすい。
さらしで絞り、ねじり上げて圧搾
ビワ色の手作り酢が完成!
「ビワ酢」は「柿酢」同様、水を入れずに果汁のみで作ります。味は「柿酢」に似て、とてもまろやかです。大根なますやサラダのドレッシングに向いています。「梅エキ酢」は梅独特の芳香がありますが、「ビワ酢」は柔らかい酢臭がします。今まで誰にも振り向かれることのなかったビワが有効活用され、素敵な酢に変身するのは驚きです。
手作り酢は糖分がある果物なら何でもできます。熱を入れて殺菌しない酢はとてもフレッシュで原材料の名残も感じられ、どれも個性的なので食べ比べをしてみると楽しいものです。