「季節の果物のレアチーズケーキ」第3弾、今回は旬の桃を使います。
原産地の中国では「仙果」=仙人の食べる果物といわれ、不老長寿や幸運をもたらすとされています。
日本でも、最古の書物『古事記』に「イザナギという神様が、桃の実を投げつけて魔物を追い払うことができた功績により桃の実はオオカムヅミという名前を与えられ、神様になった」という話が書かれています。オオカムヅミを祀っている神社も各地にあり、桃島神社(兵庫県豊岡市)や桃太郎神社(愛知県犬山市)が知られています。昔話で有名な桃太郎に出て来るお供の動物は「悪は去る(サル)、病は居ぬ(イヌ)、災いは来じ(キジ)」の象徴だそうです。
そんな「仙果」と言われている桃とクリームチーズの相性は申し分なし。しつこくない甘さがお口の中に広がって、ついつい食べ過ぎてしまう美味しさです。
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桃のレアチーズケーキの作り方
桃はコンポート(甘煮)にしてから使います。甘さが深まり、きれいなピンク色が出て美しくなります。桃のゆで汁はぜひ、キンキンに冷やして飲んでみてください。
フードプロセッサーが無い場合は、ボウルか丈夫な保存袋に入れ、木ベラなどでよく練れば大丈夫です。
桃は1個ずつ甘さが違うので、お好みで砂糖の量を調節してください。
【材料】
・白桃:2個
・レモン汁:1個分
・クリームチーズ:200g
・生クリーム:100ml
・砂糖:80g(桃の糖度とお好みで調節してください)
・水:300ml(桃がかぶるくらいの分量)
・粉ゼラチン:500ml用の分量
【作り方】
1./桃のみぞに沿って包丁で一周し、切れ目を入れる。左右の手に持って、ねじって、半分ずつにする。鍋に水と砂糖を入れ、沸騰したら中火にする。桃の皮を下にして数分煮る。
桃がかぶるくらいの水量で
2./桃を取り出す。鍋に残った湯にレモン汁を入れる。
3./桃の皮をむき、種を取り、縦の薄切りにする。2の鍋に戻して、1時間以上、漬けておく。
煮汁は美しいピンク色になる
4./クリームチーズを電子レンジ600Wで30秒加熱し、フードプロセッサーにかけて、ペースト状にする。生クリームを入れて、さらによく混ぜ、別の器に取っておく。
5./3の煮汁のうち100mlを小鍋に入れ、火にかける。沸騰したら火を止め、ゼラチンを入れ、余熱でゼラチンを溶かす。温度が高いとゼラチンがダマになる場合があるので注意。
6./3の桃のうち200gをフードプロセッサーにかける。
7./6に4のペーストと5のゼラチン水を足し、フードプロセッサーにかける。
8./7を、水(分量外)で濡らした容器に入れ、冷蔵庫で固める。
9./2時間ほどで固まる。3の桃の残りを使って飾る。
※残った煮汁は、お好みで砂糖を足し、冷やしてお飲みください。
仙果とチーズのマリアージュ
●カップケーキにする
上記のレシピで、カップに分けて固めます。飾りつけは、お好きなように。
山盛りの桃が人を笑顔にする
桃のチーズケーキと桃の皮ジュース
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。