息をのむほど美しかった桜も、時が来れば散っていきます。桜のそばに川や湖水がある場合、水面に散った花びらは集まり重なって流れます。そのさまは季語にもなっている「花いかだ」。そんな景色を見立てた和菓子を作りました。
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「花いかだ」の作り方
小豆あんで小石まじりの底を、寒天で川水を表し、ねりきりで桜を作って浮かべます。寒天液に砂糖を少し使います。
景色の姿はご自由にどうぞ。
【材料】(4個分)
・小豆あん:160g
・寒天:2g
・砂糖:25g
・水:250ml
・ねりきり:お好みの量(目安として10g)
・着色料、青:適量
・着色料、ピンク:適量
【作り方】
1./小豆あんを4個に分け、それぞれ丸める。透明容器の内側を水でぬらし、小豆あんを軽く押さえて入れる。小石まじりの水底に見立てる。
小石まじりの水底に見立てて
2./小鍋に寒天と水を入れて混ぜる。火にかけて、かき混ぜながら沸騰させる。沸騰後も弱火で2分混ぜ続け、寒天を煮溶かす。火を止めてから砂糖を入れ、余熱で溶かす。箸の先に青の着色料を少し付けて入れ、混ぜる。お好みの青さまで少しずつ濃くする。薄いと思うくらいでよい。
3./寒天液のあら熱が取れたら、1の容器の小豆あんの上にのせる。冷蔵庫で冷やし固める。
流水に見立てる
4./寒天液を固めている間に、桜の花を用意する。ねりきりにピンクの着色料を少量置いて、よく混ぜ合わせる。お好みのピンク色になるまで少しずつ濃くする。薄いと思うくらいでよい。
5./桜の花と花びらを作る。ねりきりを薄く伸ばし、型抜きや竹串などで桜っぽく形成する。花びらはハート型にしたり、小さい片にしたり。ご自由に。
桜の花と花びらを作る
6./3の寒天液が固まったら、5の桜を置き、竹串の先で軽く押さえる。桜の量や配置はご自由に。
桜は自由に置いて
和菓子銘「花いかだ」
福田恭子/発酵食品ソムリエ。薬膳コーディネーター。フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国以上で取材。
文庫版サイズ(厚さ1.2×横10.5×縦14.8cm)
304頁
定価:本体1,800円+税
発行:株式会社IDP出版
ISBN978-4-905130-43-7
◎入手方法
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