疫病退散!
千年の都をおう歌した平安京でも、疫病は恐るべきものでした。毎年6月30日には「夏越の祓(なごしのはらえ)」、12月31日には「年越の祓(としこしのはらえ)」という神事をして、半年間の穢れを清めて無病息災を祈る風習があります。
夏越の祓の日には、「水無月(みなづき)」というお菓子を食べます。氷を表す三角形の外郎(ういろう)の上に、小豆をのせたもの。小豆は「魔滅(まめ)」の語感からも、魔を滅する力があるとされてきました。節分では鬼退治に豆を投げますよね。
伝統ある水無月を食べて、コロナ禍を乗り切り、今年の後半を健やかに過ごしましょう。
「水無月(みなづき)」の作り方
外郎は、薄力粉と片栗粉を使って電子レンジで作れるようにアレンジしました。砂糖の替わりに、「飲む点滴」といわれる甘酒を用いて、栄養も補強します。小豆は、甘納豆が無ければ缶詰のゆで小豆でOKです。
【材料】
・薄力粉:80g
・片栗粉:20g
・甘酒:100ml
・水:250ml
・甘納豆(缶詰のゆで小豆でもよい):90g(缶詰1缶)
【作り方】
1./ふるいにかけた薄力粉と片栗粉に、甘酒と水を加えて混ぜる。
2./1を、ダマをなくすために目の細かい網じゃくしで漉(こ)しながら、耐熱容器に入れる。
漉しながら容器に入れる
3./大さじ1の分量を別の器に取っておく。
4./容器にラップをふわりとかけて、電子レンジ600Wで5分、加熱する。
5./4の上に小豆を並べる。3で取り置きした液を上からまんべんなくかける。
外郎の上にきれいに並べて
6./ラップをふわりとかけて、電子レンジ600Wで3分加熱する。
7./冷蔵庫で2時間ほど冷やす。
8./器から取り出し、まず四角形に切り、それを斜め半分の三角形に切り分ける。
疫病退散を祈りつつ召し上がれ
●ミックスビーンズのトッピング
缶詰めのミックスビーンズを使って、カラフルな仕上がりにします。
100mlの水を沸騰させ、豆を入れてひと煮立ちさせて、缶詰臭と塩分を取り除きます。水を切り、余熱で大さじ2の砂糖を混ぜ溶かし、30分ほどおいて、甘味をなじませます。
余熱で砂糖をなじませる
●抹茶の外郎
工程1で、材料を抹茶2g、甘酒200ml、水150mlにして作ります。その後の工程は変わりません。
抹茶外郎にミックスビーンズの水無月
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。