砂糖以外にハチミツやみりん、甘酒でも!
梅味噌は、梅と味噌、砂糖を混ぜて作るのが一般的ですが、糖分は好みで選ぶことができます。ここではきび糖を使っていますが、上白糖、黒糖、みりん、ハチミツ、甘酒(麹で作ったもの)など、お気に入りの材料を使って仕込んでみましょう。みりんやはちみつ、甘酒を使うと、ゆるめの仕上がりになります。
材料として使う味噌は、できあがりの味を大きく左右するので、味や香りがよいものを選びたいですね。
加熱する? そのまま完成させる?
梅味噌は、加熱して作る方法と、そのまま熟成させる方法がありますが、それも好みで選べばOK。できあがりの濃度を固くしたいときは、煮詰めてぽってりさせるとよいでしょう。ゆるめの梅味噌のままでも使いやすいものです。
青梅を使った梅味噌は、爽やかな酸味が特徴です。酢味噌のように料理に使えるので、和え物や田楽、炒め物などに。梅味噌の実もおいしくいただけるので、刻んで薬味などに活用しましょう。
【材料(梅200g分)】
・青梅:200g
・味噌:200g(梅と同量)
・砂糖(ここではきび糖を使用):0~50g(好みで加減)
<作り方>
1./青梅は洗って数時間、水につけてアク抜きする。
3~7時間ほど水につける。
2./竹串や楊枝などでヘタを取る。
竹串をヘタに刺すと取りやすい
3./布巾で水気をふく。
ヘタのくぼみもしっかりふく。
4./梅からエキスが出やすいようにする。エキスを出やすくする方法を4種類紹介。ゆっくり時間をかけてエキスを抽出したい場合はそのままでもよい。エキスを出やすくすると、早くできあがる。Aのように半割にした場合は、翌日から使える。丸のままの場合は2~3週間ほどかかる。
A./包丁でぐるりとタネに沿って切り込みを入れ、切り込みを上にして木べらを当て、上から体重をかけて割る。
半分に割る
B./フォークで梅にまんべんなく穴を開ける。
実に数か所フォークを刺す
C./包丁で十字になるようにぐるりと切れ込みを入れる
タネの周囲に切り込みを入れる
D./一度冷凍すると、細胞が壊れるため、エキスが出やすくなる。
一晩冷凍させ、凍ったまま仕込む
5./容器に味噌と砂糖を入れ、よく混ぜておく。ジッパー付きビニール袋のほか、ガラス容器やホーロー容器がおすすめ。
味噌に砂糖を加え、よく混ぜる
6./糖分は好みのものを選ぶ。右上から右回りに、上白糖、きび糖、はちみつ、みりん、甘酒(麹で作ったもの)、黒糖。
糖分は入れず無糖でもよい
7./5に下処理した梅を埋めるように全部入れる。徐々に梅からエキスが出てくるので、はじめの1週間ほどは、1日1回混ぜる。常温だと発酵しやすいので冷蔵するのがおすすめ。
味噌と梅をよく混ぜる
8./翌日から梅からエキスが出はじめ、だんだん味噌がとろりとする。そのまま保存してもよいが、煮つめてもOK。煮詰める場合は、梅の実を取り出し、鍋に梅味噌を入れて弱めの中火にかけ、木べらで混ぜながら焦げないように煮詰める。好みの固さになったら完成。梅の実は刻んで梅みそに戻すか、別に保存して薬味として使ってもOK。
上が仕込み直後、下が1週間後
できあがり。保存は冷蔵で1年。
★青梅味噌を使ったレシピ
●青梅味噌ごまだれのさっぱり冷やしうどん
めんつゆに梅味噌を入れて作る簡単レシピ。ねりごまを入れなくてもおいしくいただけます。
【材料(2人分)】
・うどん(ゆで):2玉
・ごまだれ
めんつゆ:250ml
梅みそ:大さじ2
白ねりごま:小さじ2
※めんつゆ[だし汁…180ml、しょうゆ…大さじ2、みりん…40ml]
・青梅味噌の実:1個
・薬味[みょうが:1個、青ジソ:2枚、青ネギ:2本、かいわれ大根:1/4パック]
【作り方】
1./うどんは熱湯でさっと温めて冷水にとり、水気をきる。梅みその実は粗く刻む。
2./ごまだれの材料を合わせておく。
3./みょうがと青じそは千切り、細ネギは小口切りに、かいわれ大根は根を取って半分に切る。
4./器に1のうどんを入れ、3の薬味と1の梅みその実を乗せ、ごまだれを添え、かけていただく。
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。