「ゆべし」は、漢字だと「柚餅子」と書きます。福島をはじめとして、山形、鹿児島、岡山など全国各地で作られているお菓子を指すことが多いようです。主に柚子やクルミを使った餅のようなものですが、今回は同じ「ゆべし」でも長野県南部が発祥の、柚子をくりぬいて味噌を詰めて干す、まったく異なる「ゆべし」を作ります。1ヵ月陽当りで干し上げた「ゆべし」は、日本酒のアテや日本茶のおともとして、チビチビかじると柚子の香りと皮のねっとりした食感、味噌、白ごまの旨味とコクが口の中に広がります。
蒸して作るものとそのまま干し上げるものがありますが、今回は柚子を蒸して作る「ゆべし」を紹介します。
蒸して作る「ゆべし」の作り方
柚子を蒸して作ると柚子の香りが飛びそうな気もしますが、干し上げると柚子の風味がぐっと凝縮され、噛んだだけで柚子の香りが広がります。
【材料】
・柚子:5個
・味噌:100g~150g程度(柚子の大きさによる)
・砂糖:味噌の1/3量
・小麦粉:味噌の1/10量
・白ごま:10g
・鷹の爪:1本(一味唐辛子でも可)
旬の柚子
【作り方】
1./柚子の上部1/5程度を切り落とし、果肉をスプーンできれいに取り出す。皮は器にするので、丁寧に破けないように作業する。
果肉をきれいに取り出す
2./1の果肉から種を取り除き、味噌、砂糖、小麦粉、白ごまとみじん切りにした鷹の爪と合わせてよく混ぜる。
材料を一緒にする
よく混ぜる
3./2を1にスプーンで詰める。このとき、全体の7割程度に詰めないと、あとで柚子が縮んであふれるので注意。1で切り落とした上部をフタにする。
柚子に7割程度詰める
ピタッとふたをする
4./3を20分蒸す。
5./蒸し上がったら、陽当りの良い所で1ヵ月程度干し上げて出来上がり。薄切りにしていただく。常温で長期保存できる。
陽当たりで干す
縮んで黒っぽくなって出来上がり
(文責・編集部)
発酵手帳2022、大好評発売中!
使いやすい 1日1ページ手帳。365日その季節に合った発酵食品のレシピ、小泉先生のコラム、いまさら聞けない発酵の疑問などの『小泉武夫食マガジン』にQRコードでつながる日本初の手帳。付録に発酵食品をいつ作ったらよいか一目でわかる「発酵カレンダー」、発酵食品を作った際の日時、温度、分量などを記録できる「発酵手仕事メモ」、人気の発酵食品「チーズの種類と特徴」、「世界のパンの種類と特徴」、「日本酒の分類」などが充実。発酵食品ファン必携の『発酵手帳2022』が4年目を迎え、さらにパワーアップしました。日々の発酵生活にぜひお役立てください。Amazonで大好評発売中です!