発酵和菓子①「砂糖不使用の小豆あん、白あん、ねりきり」

カテゴリー:レシピ 投稿日:2024.04.11

美しい春の景を和菓子にしてみたくなりました。まずは材料のあんを作ります。発酵の力を利用して、砂糖不使用で、小豆あん、白あん、そして白あんからねりきりを。
作った発酵あんは冷蔵庫で5日ほど日持ちします。作ってすぐには酒粕っぽい風味が感じられますが、次第にねっとりした深い甘さへと変化していきます。冷凍すれば発酵を止めて半年ほど保管できます。
春景色に見立てた和菓子は、次回から2回に分けてご紹介します。

 

発酵白あんの作り方
8時間以上、水に浸ける必要があるので、まず白あんから作りましょう。
以下は、白こしあんの作り方です。白粒あんにするなら、工程4と7は不要です。

 

【材料】
・白花豆:100g
・米麹:100g
・水:適量(目安として500ml×2回)

 

【作り方】
1./白花豆は軽く洗った後、8時間以上、できればひと晩、たっぷりの水(分量外)に浸けておく。ほぼ2倍の体積に膨らむ。
2./新しい水に替えて、中火で煮る。沸騰してから5分煮て、ザルにあげる。また新しい水でゆでる。常に豆が水に漬かっているようにする。水が足りなくなったら、水を足しつつ、柔らかくなるまで煮続ける。
3./指でつぶせるくらいに柔らかくなったら、火を止めて、ザルにあげる。
4./(粒あんとして使う場合は工程4を省く。今回はこしあんを作る)皮をむく。むいた皮は別の料理に使うので、取り置く。
5./米麹とよく混ぜ合わせる。炊飯器に入れ、濡れ布巾をかぶせ、「保温」にして7~8時間、置く。途中で何度か、底からよく混ぜる。カラカラに乾いていたら、水(分量外)を足し入れて混ぜる。布巾は水でしぼって、濡れている状態を保つ。

豆と麹を混ぜる

 

6./発酵臭がして、黄色くなり、味見して甘味が感じられたら、できあがり。さらに1時間ほど「保温」を続けると甘みが強くなって美味しいが、夏場はいたみやすいので注意。

発酵白あん

 

7./フードプロセッサーにかけて、なめらかなペースト状にする。

発酵白こしあんの出来上がり

 

8./(おまけです。豆皮には植物繊維やカルシウムが豊富。捨てないで料理しましょう)工程4で取り置いた豆皮に、砂糖小1/2を加え、小鍋で煮て水分をとばす(写真右)。オリーブ油で炒めて塩コショウ少々で味つけ(写真左)。

豆皮は栄養豊富

 

発酵ねりきりの作り方
ねりきりとは生菓子の一種で、白こしあんにつなぎを混ぜて作ります。今回は、つなぎに白玉粉を使いました。白玉粉はしっかり溶かさないとダマになります。

【材料】
・白こしあん:120g
・白玉粉:10g
・水:大さじ1

 

【作り方】
1./耐熱容器に白玉粉と水を入れ、よく混ぜて白玉粉を溶かす。
2./白玉粉が完全に溶けたら、白こしあんを入れて、よく混ぜる。

材料を混ぜる

 

3./ラップはかけずに、電子レンジ600Wで2分加熱。取り出して、水分をとばしながらよく混ぜる。さらに電子レンジ600Wで2分加熱。取り出して混ぜる。
4./水分がほぼなくなり、もったりして重くなり、手にひっつかなくなったら、出来上がり。水分が多いようなら、30秒ずつ加熱する。水分が完全になくなった場合は乾きすぎなので、小さじ1/2ほど水を足す。

適度に水分を抜く

 

5./ラップに包んで1時間ほど冷ます。

ラップに包んで冷蔵庫へ

 

発酵小豆あんの作り方
白あんとほぼ同じ工程ですが、豆が小さいので火が通りやすく、洗ってすぐに沸騰した湯で煮ることができます。今回は、粒あんとして使います。

【材料】
・小豆:200g
・米麹:200g
・水:適量(目安として500ml×2回)

 

【作り方】
1./鍋に水(分量外、目安として500ml)を沸騰させておく。小豆をさっと洗い、沸騰した湯の中に入れ、中火にして5分ほど煮る。アクが出たら取る。ザルにあげて水をきる。
2./鍋に1の小豆と新しい水を入れ、中火でゆでる。沸騰したら弱火にして、柔らかくなるまで煮続ける。アクが出たら取る。
3./指でつぶせるくらいに柔らかくなったら、火を止めて、ザルにあげる。
4./米麹とよく混ぜ合わせる。炊飯器に入れ、濡れ布巾をかぶせ、「保温」にして7~8時間、置く。途中で何度か、底からよく混ぜる。カラカラに乾いていたら、水を足し入れて混ぜる。布巾は水でしぼって、濡れている状態を保つ。

炊飯器「保温」で発酵させる

 

5./発酵臭がして、麹が茶色くなり、味見して甘味が感じられたら、出来上がり。さらに1時間ほど「保温」を続けると甘みが強くなって美味しいが、夏場はいたみやすいので注意。

発酵小豆あんのできあがり

 

白あん、ねりきり、小豆あんの手順
3種類のあんこを用意するには、以下の手順で進めると時短になります。
1./白あんの作り方の工程1から5まで。炊飯器「保温」にセット。
2./炊飯器の白あんが少し甘く感じられた段階で、小豆あんの工程1から3にかかる。
3./白あんの工程6で白あんを炊飯器から取り出す。小豆あんの工程4で小豆と麹を炊飯器「保温」セット。
4./小豆あんを発酵させている間に、ねりきりの工程1から5まで。
5./小豆あんの工程5。

発酵小豆あんとねりきり

 

福田恭子/発酵食品ソムリエ。薬膳コーディネーター。フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国以上で取材。

 

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この記事を書いた人

編集部
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