「紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘」(正岡子規)
紫陽花の花のように人の心も移ろっていくものだなあ、と嘆じた句と言われます。けれども、雨の中でも鮮やかに咲く紫陽花には、心を明るくしてくれる力もありますよね。
スイーツの紫陽花を咲かせましょう。発酵の力も取り入れて、梅雨ならではの楽しみをぜひ。
紫陽花スイーツの作り方
発酵白あんは、白花豆を煮て、米麹と混ぜ、炊飯器を保温にセットするだけで作れます。
白あんの周りに、寒天水で作った紫陽花の花を飾ります。花の色は、青と赤の着色料で生みだします。あなたはどんな色がお好きですか?
【材料】
<白あん>
・白花豆:150g
・米麹:150g
・水:適量
<紫陽花の花>
・粉寒天:4g
・水:450ml
・砂糖:50g
・着色料の青:適量
・着色料の赤:適量
【作り方】
1.白花豆は洗った後、たっぷりの水に8時間浸けておく。
吸水して膨らんだ豆
2./新しい水に替えて、中火で煮る。沸騰してから5分煮て、ザルにあげる。
3./もう一度、かぶるくらいの水で煮る。沸騰したら弱火にして、コトコト煮る。水が少なくなったら水を足しつつ、柔らかくなるまで煮続ける。手でつぶせるくらいになったら、ザルにあげる。こしあんにするなら、皮をむき取る。つぶあんにするなら、そのままでよい。
柔らかくゆであがった豆
4./炊飯器に入れ、米麹を加えて混ぜる。板麹を使用の場合は、パラパラにほぐして入れる。白花豆を適度につぶしながら、米麹を全体にいきわたらせる。
麹はほぐして混ぜる
5./濡れ布巾をかぶせ、「保温」にして8~10時間、置いておく。途中で一度、底からよく混ぜる。
6./発酵臭がして、黄色くなり、味見して甘味が感じられたら、「発酵白つぶあん」のできあがり。底からよく混ぜる。「発酵白こしあん」にしたい場合は、フードプロセッサーにかけて、なめらかにする。
発酵白つぶあん
発酵白こしあん
7./20等分して丸めておく。手につく場合は、小麦粉(材料外)をまぶして丸める。
8./紫陽花の花を作る。水に寒天を混ぜて溶かし、砂糖を加えて火にかける。沸騰したら、ひと煮立ちさせて、火を止める。
9./青の着色料を少し加えて、薄い水色の寒天水を作る。
10./9から、少しずつ別の容器に取って、様々な色を作っていく。青を足して濃い青色にしたり、赤を少し足して薄い紫色に。さらに赤を足して濃い紫色に、などご自由に。容器は、寒天水の高さが3ミリくらいの薄い物になるように、大きめを使ったほうが後の作業がラクになる。
好きな色を作り出す
11./冷蔵庫で30分ほど、しっかり固める。
12./各辺が3ミリほどの立方体に切る。
紫陽花作りの材料
13./7の白あんに、12の寒天を押し付けるようにして張り付ける。色合わせはお好きにどうぞ。冷蔵庫で冷やして召し上がれ。
あなたのお好きな色の紫陽花は?
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。2021年に発酵ソムリエの資格を取得。