酒かすでつくったスイーツ、そして城下町めぐりを楽しんで――。山口県萩市で市内5つの酒蔵から生まれた酒粕を使い、地元の菓子店やカフェなどが個性豊かなデザートやパンを開発し、期間限定で発売しました。観光客を呼び込もうと、お店と商品、観光名所を紹介するパンフレットも作成しました。
幕末に長州藩からヨーロッパに極秘に派遣され、帰国後、明治維新を担うことになった伊藤博文ら5人の志士「長州ファイブ」にちなみ、今回のイベントは「萩Sakekasu5プロジェクト」と名付けられました。企画したのは、市のPRと活性化、観光振興などを担う「萩市地域おこし協力隊」。萩市内には5つの蔵元があり、それぞれが持ち味を生かした酒造りに取り組んでいます。また、「萩の米で日本酒を」と、蔵元と農家が協力して昨年は30ヘクタールで酒米の山田錦を生産しています。
萩市地域おこし協力隊
こうして生まれる酒粕を活用して何かできないかと、協力隊の河津(こうつ)梨香さんと深野和範さんが蔵元にインタビューするなどして可能性を探ってきました。
美容や健康に良いと注目が高まる発酵食品の酒粕を活用してオリジナルのスイーツをつくってみませんか――この春、市内の菓子店やカフェ、パン屋によびかけたところ、12店舗が計21品を開発しました。「それぞれのお店ごとの個性があふれたユニークなスイーツやパンがそろいました。新たな食の提案にもなると思います」と協力隊の深野さんは話します。
もちもちベイクドチーズケーキ
生菓子感覚で仕上げたカステラ、甘さを控えて香りを引き立たせたチーズケーキ、軽い食感の和風ラスクに、酒粕と白味噌に漬けた豚肉とタケノコを具にした食べ応えのあるパン、各酒蔵の個性を比べられる5個セットの「利き酒シュークリーム」など、いずれも見た目も味も楽しめる品々です。
和風ラスク「和楽 酒粕」
6月26日までの期間限定ですが、イベント後も引き続き製造・販売する意向の店も多いそうです。深野さんは「萩の新たなブランドに育ってくれれば」と話しています。
イベントに合わせて、5つの蔵元に、参加店舗・商品の紹介、観光名所を載せたパンフレットも作成しました。「大型連休も終わって、梅雨となる6月は観光客も飲食店への客も伸び悩む時期。このイベントで活性化していければ」と期待をかけています。
問い合わせは「萩Sakekasu5プロジェクト」実行委員会(0838-25-3178)へ。イベントの詳細は、https://www.city.hagi.lg.jp/site/hagitiikiokoshi/h14790.htmlでも案内しています。
※トップ写真は「酒粕レアチーズケーキ」です。