砂糖を使わない? どんな砂糖を使う?
青梅を使う青梅味噌のレシピはこちらで紹介しましたが、黄梅でも同じように作ることができます。黄梅味噌は、フルーティな仕上がりで甘い香りと酸味が特徴です。
梅味噌は味噌、砂糖、梅を合わせて作りますが、砂糖を使わず無糖で作ることもできます。また、糖分は好みの材料を選びましょう。上白糖、きび糖、黒糖のほか、みりん、はちみつ、麹で作った甘酒を使うと仕上がりはゆるめになりますが、やさしい甘さを楽しめます。
半分に割る? 凍らせる? 梅エキスを早く抽出する4つのアイデア
梅のエキスを早く出すには、いくつかの方法があります。ここでは4つの方法を紹介するので、気に入った方法を選びましょう。
また、仕上げに加熱するか、生のまま使うかは、好みで決められます。仕上がりがゆるいと感じるときは、煮詰めて好みの固さにしてください。黄梅味噌は、青梅味噌より発酵しやすいので、仕込み後は冷蔵保存が基本です。
【材料(梅200g分)】
・黄梅:200g
・みそ:200g(梅と同量)
・砂糖(ここではきび糖30gを使用):0~50g(好みで加減)
【作り方】
1./黄梅は洗って水けをふく。黄梅はアク抜きしなくてもよいが、アク抜きする場合は1~2時間、水につける。
1~2時間水につける
2./竹串や楊枝などでヘタを取る。
竹串をヘタに刺すと取りやすい
3./布巾で水気をふく。
ヘタのくぼみもしっかりふく。
4./梅からエキスが出やすいようにする。エキスを出やすくする方法を4種類紹介するが、ゆっくり時間をかけてエキスを抽出したい場合はそのままでもよい。エキスを出やすくすると、早くできあがる。Aのように半割にした場合は、翌日から使える。丸のままの場合は2~3週間ほどかかる。
A./包丁でぐるりとタネに沿って切り込みを入れ、ひねって割る。
ひねって半分にする
B./フォークで梅にまんべんなく穴を開ける。
実に数か所フォークを刺す
C./包丁で十字になるようにぐるりと切れ込みを入れる
タネの周囲に切り込みを入れる
D./一度冷凍すると、細胞が壊れるため、エキスが出やすくなる。
一晩冷凍させ、凍ったまま仕込む
5./容器に味噌と砂糖を入れ、よく混ぜておく。ジッパー付きビニール袋のほか、ガラス容器やホーロー容器がおすすめ。
味噌に砂糖を加え、よく混ぜる
6./糖分は好みのものを選ぶ。右上から右回りに、上白糖、きび糖、はちみつ、みりん、甘酒(麹で作ったもの)、黒糖。
糖分は入れず無糖でもよい
7./5に下処理した梅を埋めるように全部入れる。徐々に梅からエキスが出てくるので、はじめの1週間ほどは、1日1回混ぜる。常温だと発酵しやすいので冷蔵するのがおすすめ。
味噌と梅をよく混ぜる
8./翌日から梅からエキスが出はじめ、だんだん味噌がとろりとする。そのまま保存してもよいが、煮つめてもOK。煮詰める場合は、梅の実を取り出し、鍋に梅味噌を入れて弱めの中火にかけ、木べらで混ぜながら焦げないように煮詰める。好みの固さになったら完成。梅の実は刻んで梅みそに戻すか、別に保存して薬味として使ってもOK。
上が仕込み直後、下が1週間後
できあがり。保存は冷蔵で1年。
★黄梅味噌を使ったレシピ
●刺身こんにゃくとパプリカの黄梅味噌和え
甘く焼いたパプリカと刺身こんにゃくを和えた夏らしい一品です。
【材料(2人分)】
・刺身こんにゃく:90g
・パプリカ(赤・黄):各1/2個
・梅みそ:大さじ1~2
【作り方】
1./パプリカは半分に切り、タネを除き、オーブントースターや魚焼きグリルで15~20分焼き、熱いうちにビニール袋に入れて封をして蒸らし、粗熱がとれたら皮をむいて、1センチ幅の細切りにする。刺身コンニャクは水気をきっておく。黄梅味噌の梅の実は、粗く刻んでおく。
2./パプリカと刺身コンニャク、梅の実を、黄梅味噌で和える。
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。