前回作った発芽玄米で麹を作ります。玄米麹は白米麹に比べると独特の香りとほのかな苦み、玄米独特のコクがある個性的な麹になります。また、発芽玄米麹で味噌を作ると、普通の米麹で作るより早く発酵が進み、3ヵ月ほどで食べられるようになります。
玄米独特の個性ある味噌や塩麹、醤油麹を作って楽しみましょう。
発芽玄米麹の作り方
発酵は、麦麹を作る際に使った寿司桶と電気あんかで行います。寿司桶は適度な湿気を含み、余分な水分は吸ってくれるので、麹がとてもきれいに出来上がります。玄米は白米に比べると麹菌がつきにくいので、白米より多目に麹菌を振った方が失敗がありません。
※寿司桶がない場合は、“My米麹”を作ろう! その1の記事を参考にしてください。
【作り方】
1./発芽した玄米を蒸し布に包み、蒸し器で40~60分程度中火で蒸す(強火だと煮え立ったお湯が蒸し皿近くの米に付いて、ビチャビチャになってしまうのでNG)。蒸した米を食べてみて、芯が残っておらず、硬めのご飯を食べている感じ、あるいは親指と人差し指で米2、3粒をひねって餅になるようであればOK。
※玄米は白米より柔らかくなるのが遅いので、白米より時間をかけて蒸す。
2./蒸した米を蒸し布ごと持ち上げて寿司桶にあけ、しゃもじで水分を飛ばすように手早くかき混ぜる。冷めてきたら手で一粒ずつパラパラになるようにかき混ぜる。米を握って温かくも冷たくもない程度まで冷ます。米の水分が飛んでパラパラになる感じにすることが大事。水分が多すぎるとうまく発酵しない原因になる。玄米は白米よりパラパラになりやすいので、この作業は白米よりも楽。
3./2の上に種麹菌を茶こしなどで少しずつまんべんなく振りかける。種麹は、米 1kgに対して0.2%(2g)が規定の量だが、多めに使用したほうが失敗が少ない(多過ぎても支障はない)。振りかけたら米をもむようによく混ぜて麹のムラがないようにする。米を冷まさないためにこの作業も手早く行う。
4./乾燥を防ぎ温度を上げるために玄米をまとめ、熱湯で煮沸消毒したさらしをかける。蓋をして寿司桶の下にアンカを置き、桶の温度が36℃前後になるように毛布などにくるんで保温する。蓋がない場合は、段ボールなどを切って蓋の代わりにする。
できるだけパラパラにする
~約24時間後~
5./ 種麹を付けてから約24時間経つと、麹で米が少しずつかたまりになってくる。これをほぐして、1粒ずつバラバラになるようにする。これを再度まとめて、元の状態に戻して保温する。この時、米を包んでいる蒸し布が乾いているようなら、霧吹きで吹くか、濡れタオルをかけるとよい。
麹を付けた米を小さくまとめる
〜約30時間後〜
6./このころになると米自体が発酵により発熱してくるので、温度が上昇するのを防ぐため、まとめていた状態から米同士をほぐして平たく広げておく。
麹が回って白くなり始めている
〜約36時間後〜
7./麹の白い菌糸が目につき、桶のふたが米から出た水蒸気でびっしょりぬれるほど元気に発酵するようになるので、温度を測り、米の温度が上がりすぎている場合は、保温をやめ、米をかき混ぜて温度を下げる。逆に低い場合は、保温を続け、乾いたタオルなどを米に被せる。
〜約48時間後〜
8./種麹を付けてから2日、48時間程度経過したところで麹を手に取ってみて、ふわっとして、栗のような甘い香りがしたら発酵終了。まだのようなら、引き続き発酵させる。1kgの米が約1.2倍の重量になる。
麹がほぼ全部に回って出来上がり
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