生麹と乾燥麹のちがい
市販されている麹には、生麹と乾燥麹があります。乾燥麹は、生麹の水分を飛ばして乾燥させた麹のこと。生麹も乾燥麹も、基本的に同じように使うことができますが、それぞれの特徴を知っておきましょう。
一般に、生麹のほうが香りがよく、みそや麹甘酒などを仕込んだとき、発酵が早くおいしくできるといわれます。しかし、そのままの状態では保存性が低いのが特徴。乾燥麹より水分が多いので雑菌に弱く、麹自体が発酵していく力が強く、品質劣化が早いのです。保存は冷蔵で約1週間、冷凍で3ヵ月ほどです。
一方、スーパーマーケットなどで入手しやすいのは、乾燥麹。乾燥麹はなんといってもそのままの状態で長期間、保存できるのが特徴で、冷暗所で6ヵ月~1年ほど保存できます。
乾燥麹はぬるま湯を加えて戻す
生麹を使いたいけれど、入手しにくいし、いつ使うかわからないのでタイミングよく購入するのが難しい、という人も多いようです。そんなときは、乾燥麹を戻して使うのがおすすめです。
用意するのはぬるま湯(または水)だけ。1~2時間でやわらかく戻り、生麹と同じように使うことができます。ただし、戻した麹はすぐに使うこと。戻したあとに保存したいときは冷凍しましょう。
乾燥麹は、戻さずにそのまま使うこともできます。みそや麹甘酒、塩麹など、水分を入れて仕込むものに使うときは、乾燥麹が水分を吸うので、生麹を使う場合より水分を多くするのがポイントです。水分が少ないものを仕込む場合は、戻して使うと良いでしょう。
【材料】(乾燥麹200g分)
・乾燥麹(米麹):200g
・ぬるま湯(50~60℃)または水:100~250ml
【作り方】
1./乾燥麹を用意する。
板状に固まっているタイプ
バラバラになっているタイプ
2./板状の乾燥麹は、ほぐしてバラバラにする。
手でよくほぐす
3./50~60℃のぬるま湯を加える。量は200gの乾燥麹に対して、100~250mlが目安。メーカーによって乾燥状態に差があるので、様子を見ながら加えていく。水でもよいが、ぬるま湯を使ったほうが、ふっくら仕上がる。
50~60℃のぬるま湯を加える
4./全体に水分がいきわたるように、まんべんなく混ぜる。
全体をよく混ぜる
5./乾燥を防ぐためにラップをぴったり乗せて、1~2時間おく。
ラップして乾燥を防ぐ
6./途中で1~2回かき混ぜ、またラップしておく。
途中で全体を混ぜるとよい
7./指で軽くつぶれるくらいになればOK。生麹と同じように使える。
戻した麹は、その日のうちに使う
玄米麹や麦麹の乾燥麹は?
玄米麹や麦麹の乾燥麹も、白米の乾燥麹と同じ方法で戻すことができます。メーカーにもよりますが、白米の米麹より水分を吸うことが多いので、多めのぬるま湯を使うのがポイント。麹の状態を見ながら、ぬるま湯を加えていき、やわらかく戻しましょう。
玄米麹
麦麹
撮影:信長江美
文・レシピ:オザワエイコ
手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。