埼玉県鴻巣市にある「どんぐり保育園」と「どんぐりっこ保育園」の、食に対する取り組みをご紹介するこの企画。第二弾の今回は、先日どんぐりっこ保育園で行われた「さんま祭り」を取材しました。
魚を丸ごと食べる経験を
最近の子どもたちは、家庭や給食で魚を丸ごと食べる機会がほとんどありません。子どもたちからは、「切り身の魚しか見たことがないから、魚は切り身の状態で泳いでいると思っていた」とか、「いつも食べている切り身の魚が、水族館で泳いでいる魚と結びつかない」などと言った笑い話が世間に溢れています。どんぐり・どんぐりっこ保育園で行われるさんま祭りは、「現代のそんな子どもたちに薪を使い、人手をかけ調理したものが食材を美味しくするということを、魚を丸ごと一匹食べるという全体食の体験をさせてあげたい」という思いで行われている園行事です。
いよいよさんま祭りの始まりです
園庭の一角で火を起こし、薪を燃やしてさんまを丸ごとじっくりと焼きます。
新鮮なさんまを網焼き
気が付くと子どもたちがたき火の周りに集まってきて、みんな嬉しそうにのぞいています。ワクワクした子どもたちがたき火の唄を歌い始めて、合唱がはじまりました。誰が歌い始めたのか「燃えろー燃えろー」と、満面の笑顔です。
たき火を囲んで大合唱です!
いい具合にさんまが焼けてきました。たき火の周りに美味しそうな匂いが漂います。子どもたちは、食事の準備です。ホールに机を並べ、椅子を運び、食器を運びと大忙しで働きます。
いい具合に焼けてきました
今日の給食のメインディッシュは、お皿から飛び出るほど大きなさんまです。じっくり焼き上げたので、頭から全部食べてしまう子もいるくらい柔らかく焼けています。
こんがり網目のついたさんま
編集部は年少さんのお席で一緒に食べさせていただきました。年長さんはお箸で上手に食べていましたが、年少さんは豪快にかぶりついていました。年少さんでも、みんな1匹丸ごと食べていて驚きです。「全部食べられたよ」とお皿を見せてくれる子どもたちの顔は、自信に満ちていました。「たき火で焼いた魚を全部食べられた」という経験が、子どもたちの成功体験となって自信につながっていることを感じる、素敵な笑顔でした。
さんまをかぶりつく
どんぐり・どんぐりっこ保育園の食の取組みが、1冊の本になりました。
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