9月に発売されて以来、インターネット上で話題となっている新書『子どもの「手づかみ食べ」はなぜ良いのか?』。きっかけはWebマガジン『小泉武夫食マガジン』に掲載された著者・清水フサ子さん(どんぐり保育園創設者/埼玉県鴻巣市)の同名のインタビュー記事が評判となって、書籍化されました。
発売後、全国の保育園、幼稚園からの注文が続々と来ている本の著者、清水フサ子さんにお話を伺いました。
【離乳食時期からの子どもの成長の深いかかわりとは?】
Q:インターネット上の記事がきっかけとなって書籍化されたということですが、書籍化するに当たって一番伝えたかったことは何ですか?
清水:まずは、「離乳食って、そんなに難しく考えないでください」ということです。お母さんたちは一生懸命「離乳食」として特別なメニューを作ろうとしていますが、私たちは最初はただ野菜を煮るだけ。これだけで立派な離乳食になるということを知ってもらいたいのです。
また、偏食や食べる意欲がない子を持って悩んでいる親御さんがいらしたら、この本を通して「手づかみ食べはいけないことではないんですよ。むしろ手づかみ食べを通して子どもの食への興味・関心を育ててください」とお伝えしたいと思います。
手づかみ食べ
体験を通して食を学ぶ
Q:どのような方々に読んでいただきたいですか?
清水:まずは乳幼児を子育て中の親御さんですね。乳幼児期のお子さんとどう向き合い育てていけばいいのか? この本の中にヒントはいっぱいあると思います。あとは専門家でもある保育士さんに読んでいただけたら嬉しいです。
Q:保育士さんが読む場合、この本からどのようなことを感じてほしいとお考えですか?
清水:乳幼児期における手づかみ食べの大切さとその意味を理解していただき、発達とのかかわりを深く学ぶきっかけになったら幸いです。
Q:親御さんが読む場合、この本から何を読み取ってほしいですか?
清水:離乳食は特別なことと考えるのではなく、この本をきっかけにして、もっと気楽に食と向き合うことで子育てが楽しくなってくれることでしょう。そこからさらに、「食の奧深さ」について学んでくださることを願っています。
【大反響記事が待望の書籍化!『子どもの「手づかみ食べ」はなぜ良いのか?』好評発売中!】
<プロフィール>
清水フサ子
1955年に埼玉県立保育専門学院(現在の埼玉県立大学)を卒業し、保育士になる。埼玉県の公立保育園にて32年間勤務した後、1987年にどんぐり乳児保育園を創設。その後、どんぐり保育園を立ち上げ、初代園長となる。現在は社会福祉法人どんぐり会理事。どんぐり保育園とどんぐりっこ保育園にて子どもたちの成長を見ながら、若手の保育士育成や子育て中の保護者のための講演活動などを精力的に行っている。元埼玉県保育士会会長。