今の時期、小粒の新ジャガイモが出回ります。皮をむいたら中身がなくなる!ほど小さいジャガイモで「せいだのたまじ」を作りませんか。皮ごと使って簡単に作れておいしくいただける「せいだのたまじ」は、食物を無駄にしない知恵から生まれた、山梨県上野原の伝統料理です。
「せいだのたまじ」の作り方
ジャガイモは小粒のものを皮ごと使用します。皮ごとなので煮崩れる心配が少なく、コロコロとかわいらしく仕上がります。もちろん、通常の大きさのものでも2つ割、4つ割にすれば作れます。
【材料】
・小粒ジャガイモ(2~5㎝ぐらいのもの):500g
・サラダ油:大さじ2
・味噌:大さじ2(今回は【“衣類圧縮袋”で味噌を作ろう!】で作った味噌を使用)
・砂糖:大さじ2
・みりん:大さじ2
・煎りゴマ:少々
【作り方】
1./ジャガイモの表面をごしごし洗い、ザルにあげて水気をしっかり切る。
2./大きめの鍋にサラダ油を引き、1を入れてイモ全体に油が回るようにコロコロと炒める。
3./ジャガイモが隠れるぐらいヒタヒタに水を入れ、味噌と砂糖を入れて中弱火で煮る。
4./3の水分が半分ぐらいになったところで、火を強め、へらでジャガイモをつぶさないようにかき回しながら水分を飛ばし、プツプツと粘度のある音がしてきたらみりんを入れて全体をざっくりかき回し、火を止め、煎りゴマを振って出来上がり。
「せいだのたまじ」とは
江戸時代、今の山梨県上野原一帯を治めていた代官中井清太夫は、ジャガイモの栽培を広め、飢饉の窮地を乗り切ったとされています。この清太夫のアイディアで飢饉を乗り切れた住民たちは、感謝の気持ちを込めて、ジャガイモを「清太芋」(せいだいも)と呼ぶようになったと言われています。そして、「たまじ」とは、主に上野原市の棡原地区や西原地区などで小粒のジャガイモのことを指し、転じてこの料理を「せいだのたまじ」と呼ぶようになりました。
「せいだのたまじ」は、収穫しても食べずに残ってしまった小粒のジャガイモを無駄にせず、おいしく食べられるように工夫された伝統料理なのです。