
去る7月4日、酒蔵の大事な行事の一つである「初吞切り」を行いました。
冬に仕込んだ清酒は蔵内のタンクで静かに熟成を続けています。
「初吞切り」とは、このタンクの“吞口”(底面に近いところにある酒の出し入れをする吞穴をふさぐ栓)を初めて切って少し出し、唎酒し鑑定すること。
昔は、6月から7月、気温が上がってくると火落ちする(腐らせる)ことがあったので、その慣例に従って、この頃第1回目の吞切りをするのが通例となっています。
因みに今年の初呑切りの結果は、“火落菌は検出せず!”で、鑑定したお二人の先生(※)からは「丁寧な酒造りが酒質に良く表れ、香り・味共に良好で、順調に調熱している」とのお墨付きをいただき、蔵人達もホッと胸を撫で下ろした次第です。
※新潟県醸造試験場・青木俊夫氏/弊社技術顧問・戸塚昭氏
「初吞切り」の様子
また、今回の初呑切りには特約店/(株)小泉商店専務・小泉実加さんと、地元柏崎から西沢酒店・西沢右文さんが初参加!
「酒蔵の神聖な伝統行事にとても緊張します…」と口を揃え、真剣な面持ちで唎酒に集中されていました。
そして嬉しいことに小泉さんからは「初呑切り本来の目的や歴史を学ぶ貴重な経験でした。初めて見るメジロの巣にも感動! この豊かな自然、美しい景色は写真や映像では伝えきれない…。今度はぜひ社員と訪れ感動を共有し、お客様に伝えていきたい」と、力強いお言葉をいただきました。
さらに西沢さんからは「当店は試飲販売が基本。久須美の酒で“新酒”と“熟成酒(1年前)”を比べてもらうと、9割のお客さんが“熟成酒”を選ぶ。これも“出目金麹”の成せる業であり、今日の初吞切りで再確認できた。この経験を強みに、今後も試飲体験を通じてしっかり伝えたい」とのエピソードをご披露下さいました。
これからも恵まれた豊かな自然環境を守りながら、日本の伝統的酒造り(出目金麹の技術)を後世に伝えるべく、醸し続けてまいります。どうぞご支援よろしくお願いいたします。
久須美酒造株式会社(新潟県長岡市)久須美賢和