日本の5月は百花繚乱、そして早苗月。
現在、酒蔵前の田んぼでは、去る4日に植えられたばかりの亀の尾の早苗が、青葉を渡る風にその身をくねらせております。山々の木々も柔らかな葉をいっぱいに広げ、ここ小島谷の里は、緑のシャワーの中にすっぽり包まれているかのようです。
一方、冬の間、あれほどの活気に満ちていた蔵は、蔵人たちが造りを終えて帰ると、まるで嘘のように静寂の時を迎えます。
旧蔵には仕込みを終えたばかりの新酒たちが、出番を待って静かに眠ります。
久須美酒造株式会社(新潟県長岡市) 久須美賢和
※冒頭の画像は「亀の尾の早苗(写真/英 伸三 氏)」です