令和初の「夏子物語」は“まっさらな木の甑(こしき)”仕込み

カテゴリー:[PR], ニュース 投稿日:2019.12.28

尾瀬あきら氏の人気漫画「夏子の酒」のモデルとして知られる久須美酒造(新潟県長岡市)は新時代「令和」を迎えるにあたり、平成2(1990)年から使い続けてきた木製の甑(酒米を蒸すための巨大な桶)を一新。この秋から新たに製作した“まっさらな杉の甑”で、銘酒「夏子物語」が仕込まれることになりました。

 

酒造りに悪影響を及ぼす「肌めし」を防止

現在、甑は金属製が主流となっていますが、久須美酒造ではずっと木の甑にこだわってきました。その理由は「甑肌(肌めし)が出ないこと」。肌めしとは水分を多く含んだ蒸米をいいます。酒造りは寒い時期に行われます。そのため火を止めた途端、木に比べて比熱の低い金属製の甑は表面が急激に冷え、熱い蒸米との間に水蒸気が液体に変わった凝結水が生じて、酒造り全般に悪影響を及ぼす肌めしができてしまうのです。

その点、木製の甑は表面が冷えにくく、肌めしができにくいという特長があります。さらに木が過剰な水分を吸ってくれるため、理想とする「外硬内柔(がいこうないなん)」のふっくらとした良質な蒸米になるのです。

ただし、杉の木で作られた甑には渋や木香が残り、それが酒に移る恐れがあるため、すぐそのままでは使えません。久須美酒造が、日本で唯一醸造用の木桶を製作している藤井製桶所(大阪府堺市)から新たな木製の甑を購入したのは平成27(2015)年のこと。以来4年間、久須美酒造ではずっと渋抜き・木香抜きの作業が、地道に続けられてきました。

 

購入から4年間かけて新甑にゴーサイン

まず、甑を中身が空の状態で1時間ほど蒸します。その後、ぐらぐらと煮え立った釜湯を大きな柄杓(ひしゃく)でひたすらかけ、湯を貯めます。しばらくすると渋が溶け、湯は赤茶色に変わります。次に乾燥させるため、甑を屋外で干します。直射日光を当てるとひび割れの恐れがあるため、日陰干しになるように気を配ったり、湿気が多いときはかび防止のため、扇風機で風を送ったりもします。

「一連の作業を4年間繰り返した結果、藤井製桶所の上芝さんからめでたくゴーサインのお墨付きを頂戴し、新甑の蒸米初デビューとなりました」と、7代目の久須美酒造代表取締役社長・久須美賢和さん。

 

合わせて新しい甑で造られた純米吟醸酒「夏子物語 しぼりたて」のラベルとボトル、純米吟醸「生貯蔵酒 夏子物語」のラベルも一新されました。新ラベルは、久須美酒造の基軸である“伝統と革新”に照らし願いを込め制作(伝統は久須美家の家紋で表現。革新は八代目の後継者である社長の長男・諒典15才の書)したそうです。

 

令和初の年末年始、暖かな部屋で二つの「夏子物語」、それぞれを味わって過ごすのはいかがでしょうか。

 

【酒の履歴書】

原材料:令和元年度 新潟県産米使用

精米歩合:55%

アルコール:15度

麹つくり:麹蓋(こうじぶた)使用

仕込水:新潟県名水指定の自家湧水(名称「酒屋の清水」)

 

【純米吟醸 夏子物語・しぼりたて】(720mlのみ)

価格:1,572円(税抜)

 

【純米吟醸 夏子物語・生貯蔵酒】(1.8L/720ml)

価格:2,858円(税抜・1.8L)、1,572円(税抜・720ml)

 

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この記事を書いた人

編集部
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