漫画「夏子の酒」から誕生した、久須美酒造(新潟県長岡市)の「夏子物語」が、ラベルを一新した。
幻の酒米の物語から生まれた酒
久須美酒造は、天保4(1833)年創業、今年で186年となる越後の老舗の酒蔵だ。幻の酒米「亀の尾」を復活させ、自家栽培した米で酒造りを行ったことでも、よく知られている。このエピソードをモチーフとして大ヒットしたのが、「夏子の酒」(尾瀬あきら、講談社・コミックモーニング)で、TVドラマ化もされて、今でもファンは多い。
「夏子物語」は、平成元年に「夏子の酒」から企画・商品化された銘酒。当初のラベルは久須美酒造会長(当時専務)知人の噺家・柳家小満ん師匠の書によるもので、以来30年愛されてきた。
新ラベルに込められた“伝統と革新”
「当社は、創業以来、江戸、明治、大正、昭和、平成という、とりわけ日本の歴史上大変化の時代を生き抜いてきました。5月から新元号『令和』、新時代を迎えるにあたり、『夏子物語』のラベルを一新し、社として創業200年を目指してチャレンジしていきます。
新ラベルには、当社の基軸である“伝統と革新”の願いを込め、“伝統”は当家の家紋で表現。“革新”は八代目の後継者である長男・諒典(りょうすけ)・15才の書で表現し製作しました」(久須美酒造代表取締役社長・久須美賢和さん)
聞けば諒典さんは書家・柳澤魁秀氏に師事し、競書大会では新潟県知事賞3回受賞の腕だという。みずみずしく伸びやかな書と家紋の組み合わせも美しく、すっきり優しい味わいの酒が一層引き立つ。春の旬菜を肴に、一杯楽しんでみてはいかが。
「夏子物語」720ml
「夏子物語」
・仕込水:新潟県名水指定の自家湧水
・精米歩合:55%(全量自家精米)
・アルコール度数:15度
・1.8L:2,667円、720ml:1,334円(税抜き)
取材協力・写真提供/久須美酒造株式会社(http://www.kamenoo.jp/)