
冬を超え、春に向かって、身もぷっくり、最高潮を迎える牡蠣はいよいよ食べおさめです。春先の美味しさをたっぷり味わえるのは、牡蠣喰いの醍醐味でしょう。
牡蠣の旨みを引き立てるのは蓮根。淡い出汁仕立ての中におろした蓮根を流し、牡蠣をからめながら頂きます。
牡蠣の蓮根すり流しの作り方
【材料】
・牡蠣:4~6個
・出汁:500ml
・塩:小さじ1/2
・淡口醤油:小さじ1/2
・日本酒:小さじ1/2
・蓮根:80g
・黄柚子:適量
・三つ葉:適量
【作り方】
1./ボウルに濃度3%ほどの塩水(分量外)を用意し、牡蠣をやさしく洗う。都度塩水を新しくし、塩水がほぼよごれなくなるまで2~3回繰り返す。
ふっくらと美味しさピークの牡蠣
2./1の牡蠣を、日本酒(分量外)を少々入れた熱湯で、下ゆでをする。
牡蠣のヒダが開くまで、しっかりと
3./蓮根の皮をむき、すりおろす。
4./鍋に出汁を温め、塩、淡口醤油、日本酒で味を調え、3のおろした蓮根を入れる。
5./4に2の牡蠣を入れ、数分温める。
6./椀に盛付け、三つ葉をそえ、黄柚子の皮を散らしたら出来上がり。
蓮根のやさしいとろみに包まれる牡蠣
今シーズンも様々な味わいで牡蠣料理を食べたなぁと回顧しながら、牡蠣の食べ納めに向かうのは、いつもの春の行いです。淡い味わいで仕立てた牡蠣料理は、牡蠣の深い旨みを一層引き立たせてくれます。ほんのりとしたとろみもでる蓮根のすり流しで、おなかをじんわり温め、寒の戻りもある今の時期にも相性のよい献立です。牡蠣の今シーズンのラストスパートにぜひ。
(文・写真◎奥田ここ)
国内外各地の市場を「師」とあおぎ、様々なスタイルでの和食及びイタリア家庭料理の料理教室を主宰。各種媒体・広告へのレシピ提供や食材産地の取材および食に関する企画・執筆、オーダーメイド仕様の出張料理など、国内外問わず活動中。素材の味を大切に無駄なく使い切る献立作りを心掛けている。
kokookuda (https://kokookuda.com/)
文庫版サイズ(厚さ1.6×横10.5×縦14.8cm)
464頁
定価:本体2,000円+税
発行:株式会社IDP出版
ISBN978-4-905130-46-8
◎入手方法
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