カボス、スダチ、ユズ、等々の柑橘類が黄色に色づいています。
柑橘類を調味ダレに使って具材を焼く調理方法が、料亭などでおなじみの「幽庵焼き」です。江戸4代将軍・綱吉の時代の茶人であった北村祐庵による創案とか。
旬の鮭とスダチを使い、秋満載のひと品を作りましょう。
鮭の幽庵焼きの作り方
「幽庵地」と呼ばれる調味ダレは、酒、醤油、みりんを1:1:1にし、輪切りにした柑橘類を加えたものです。醤油はうすくちを使うと、できあがりがきれいです。柑橘類はカボス、スダチ、ユズ、レモンなどが使えます。具材は鮭のほか鯛やタラ、サワラなどの魚、また鶏肉もイケます。少量の水を足して、表面ばかりが強い味つけになることを防ぎ、漬け時間が多少長くても漬かり過ぎにならないように工夫しました。
【材料】
・鮭:切り身2切れ(1切れ約130g)
・酒:大さじ1
・うすくち醤油:大さじ1
・みりん:大さじ1
・水:大さじ1
・スダチ:2個
・(添え野菜として)大根おろし:適量
・(添え野菜として)マイタケのオリーブ油炒め:適量
【作り方】
1./鮭の骨を取り、水気をふき取っておく。
脂ののった秋鮭
2./カップにジッパー付き保存袋を立てて置き、酒、うすくち醤油、みりん、水を入れて混ぜる。カップを使うと、別の器に入れて混ぜる必要がなく、便利。
カップに立て置くと便利
3./スダチを薄い輪切りにする。
スダチを薄い輪切りに
4./1の鮭を2の保存袋に入れる。3の輪切りスダチを鮭の周囲に置く。
味を染みこませる
5./2時間以上、冷蔵庫に保存する。ひと晩置いてもよい。
6./グリルの弱火で両面を焼く。フライパンで焼く場合は、薄く油をひいてから焼く。
7./お好みで大根おろし、4のスダチを数枚添える。マイタケのオリーブ油炒めを添えると、ぐっと秋らしくなる。
キノコを添えて秋を演出
福田恭子/発酵食品ソムリエ。薬膳コーディネーター。フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国以上で取材。
文庫版サイズ(厚さ1.6×横10.5×縦14.8cm)
464頁
定価:本体2,000円+税
発行:株式会社IDP出版
ISBN978-4-905130-46-8
◎入手方法
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