新米が出始めました。瑞々しいご飯をお漬物と一緒に食べる時、よくぞ日本人に生まれけり、と感謝したくなります。
旬の秋鮭で「石狩漬け」を作ってみませんか。鮭を白菜、ニンジン、ダイコンで挟み、コンブを入れてしめ、味付けは塩麹。北海道を代表する漬物の一つです。
鮭の赤い色素成分のアスタキサンチンには、ビタミンCの約6000倍の抗酸化作用があるといわれています。
発酵食品の塩麹は、塩だけで漬けるよりコクのある風味にしてくれるうえ、腸内環境を整える働きが期待できます。
酷暑の疲れが出たり、季節の変わり目に不調が出やすいこの時季こそ、力をつけましょう。
石狩漬けの作り方
材料の野菜は、電子レンジでしんなりさせます。こうすることで、塩漬けの手間と時間を省き、塩分を減らすことができます。加熱時間は、野菜の状態やご使用のレンジによって違いますので、しんなりをめどに調節してください。
漬物石や漬物器が無い場合は、ひと回り小さい容器に水を入れ、輪ゴムで絞めればOKです。
【材料】
・鮭:200g
・昆布:10g
・白菜:300g
・ニンジン:100g
・大根:100g
・酢:大さじ2
・水:大さじ2
・塩麹:80g
【作り方】
1./鮭を、小骨を抜きながら薄いそぎ切りにし、酢に漬けておく。
酢で生臭さを取る
2./昆布を水に漬けて、柔らかくする。
3./白菜をタテ半分に切った後、容器の長さに合わせて1/2~1/3に切る。耐熱容器に入れて、ラップをふんわりかけ、電子レンジ200Wで13分ほど、しんなりするまで加熱する。
4./ニンジンは、スライサーかピーラーを使って、薄切りにする。器具が無い場合は、できるだけ薄く切る。耐熱容器に入れて、ラップをふんわりかけ、電子レンジ200Wで7分ほど、しんなりするまで加熱する。
5./大根はニンジンと同じく、薄切りにし、電子レンジ200Wで7分ほど、しんなりするまで加熱する。
6./柔らかくなった昆布を、幅5㎜ほどで細長く切る。昆布を漬けた水は取っておく。
鮭以外の材料
7./容器に白菜の1/3、ニンジンの1/2、昆布の1/2、大根の1/2、鮭の1/2を、順に詰める。塩麹の1/2を鮭の上にまんべんなく塗る。
8./7の上に、白菜1/3、残りのニンジンと昆布と大根と鮭を詰め、塩麹を塗る。最後に、残った白菜を蓋にしてのせる。取り置いた昆布水をかける。
最後の白菜で蓋にする
9./ひと回り小さい容器に水を入れて、ラップをかけた8にのせて、重しにする。液があふれ出る場合があるので、ラップはゆるくかけ、下に受け皿を置く。輪ゴムで留めて、圧力がかかるようにする。
身の周りの物で漬物器の代用を
10. /ひと晩、漬けおく。長く漬けるほど、古漬けの風味になる。冷蔵庫で1週間ほどもつ。
切り分けて召し上がれ
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。