ホタルイカは全身が青白く光る、多くの謎につつまれた神秘的な生き物です。ふだんは水深200~600mもの深いところに棲んでいますが、この時期だけ富山湾に産卵のために押し寄せます。3月下旬からの1ヵ月間が漁の最盛期で、最もおいしくなります。
ホタルイカは発光の美しさもさることながら、その味わいも格別です。沸騰した湯の中でホタルイカを丸ごと茹であげる「釜あげ」は、昔からある最もポピュラーな食べ方で、肝に含まれる適度な甘みと旨味が味わえます。
今回は短い旬を迎えたホタルイカを、火を通しすぎることなくあっさりと煮て、ふっくらした食感とイカ本来の旨味を残しました。
ホタルイカのあっさり煮の作り方
ホタルイカは今が旬なので、冷凍されていない質の良いものが出回ります。みずみずしくぷっくりと膨れて形がきれいにそろっているものを選んで購入しましょう。生も出回っていますが、今回は扱いやすい「釜あげ」と言われる茹でたものを使用します。
鮮度を生かして、煮すぎることなくあっさり、ふっくらと仕上げます。
【材料】
・釜あげホタルイカ:200g
・日本酒:大さじ2
・本みりん:大さじ3
・醤油:大さじ1/2~1(ホタルイカの塩加減で適宜)
市場で鮮度の良いものを購入
【作り方】
1./ホタルイカはザルに入れてさっと洗い、眼玉を取り除く(眼玉は固いため)。
眼玉を指でつまんで取り除く
2./鍋に日本酒、本みりんを入れて火にかけ、沸騰させて煮切り、醤油を入れる。
3./2にホタルイカを入れ、鍋を軽くゆすりながら煮始める(菜箸などはイカが傷つくのでNG)。最初は汁気が少ないが、2~3分煮ているうちにイカから水分が出てくる。
最初は汁気が少ない
イカから水分が出てくる
4./5分程度鍋をゆすってイカをひっくり返すようにして、味をまんべんなく行きわたらせて出来上がり。
イカがふっくらコロコロに仕上がる