発酵に適した季節になりました。今回は発酵ものの代表の一つ、パンを作ります。パン作りは、手こねが大変という印象が強いものです。15分以上こねたり叩いたりで、テーブルの上は粉だらけ、その割にふっくら焼き上がらない…で、なかなか手が出しにくいかもしれません。しかし、今回の「こねないパン」は、材料を混ぜるだけ。今のほど良い気温の中に放置しておけばいいのです。あとはイースト菌が頑張ってくれます。1次発酵、2次発酵、何分経ったら何をする、などとは無関係。発酵によるふくらみ具合だけで、あとの手順を決めていきます。あまりにも簡単にでき、これまでのパン作りの常識をくつがえすやり方です。
「こねないパン」の作り方
パンを作るうえで「手こね」が必要なのは、小麦粉のグルテンを引き出してパンの焼き上がりをしっとりふっくらさせるためです。この“こねない放置パン”はグルテンの引き出しを「こねる」のではなく、イースト菌と時間にやってもらいます。手を使うのは、材料を「混ぜる」時と「パンチしてガスを抜く」「成形する」時だけです。しかも時間調整が効きます。今回は2回発酵させ、3回目で焼いていますが、発酵は3回でも4回でもOK。またもっと焼く時間を先延ばしにしたい場合は、容器ごと冷蔵庫に入れれば発酵を遅くすることができます。
オーブンがなくてもパンはフライパンで焼くことができます。「フライパンでできる!! ふわふわモチモチの薄力粉パン」は薄力粉で作っていますが、今回の生地でも同様にできます。
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【材料】大き目のパン4個分
・強力粉:300g
・水:200ml
・塩:小さじ2/3
・砂糖:小さじ1
・ドライイースト:小さじ2/3(多めの方が失敗が少ない)
【作り方】
1./大き目のふた付き保存容器(背の高いもの。100円ショップの食パン保存用などがやりやすい)に強力粉、塩、砂糖、イーストを入れて混ぜる。
粉類を入れて混ぜる
2./1に水を入れ、手で混ぜる。最初は手についてくるが、混ぜているうちに生地がまとまって手につかなくなる。この状態でまるめる。
最初は手についてくる
次第にまとまってくる
3./容器にふたをして、陽の当たる場所に2倍ぐらいにふくらむまで放置する。
ふたをして放置
4./ふくらんだら、ふたを開けて手でグーパンチをしてつぶしてガスを抜いて丸め、再び放置。この時の生地はすでにしっとりなめらかになっている。
2倍ぐらいにふくらんだ
5./再び2倍ぐらいにふくらんだら容器から出し、つぶしてガスを抜いてから4つに切り分けてまるめ、オーブン皿にのせて再び放置する。2倍ぐらいにふくらんだら焼いて出来上がり。210℃で15分焼くとふんわりしてきつね色、18分焼くとセミハードのフランスパン風になる。
オーブン皿に並べて2倍に発酵させる
焼き上がり
15分でふんわりきつね色に
18分でフランスパン風に
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