初ガツオは江戸時代「(銭が無ぇなら)女房を質に入れても食え」といわれるほど珍重されましたが、聞き捨てなりませんね。それなら現代の我々はその「初ガツオ」を、老若男女関係なく食べてみようじゃありませんか。
初ガツオは、4月末から6月にかけて餌を求めて北上してくるカツオの呼び名です。一方、餌をたらふく食べて9月から11月に南下してくるカツオは戻りカツオと呼ばれます。
初カツオは、戻りカツオに比べて赤身であっさりしており、ステーキにしても美味しくいただけます。
カツオのステーキの作り方
しょうゆと麹を混ぜて3日から1週間程度寝かせた「しょうゆ麹」に、おろしショウガを混ぜ込んで「ショウガしょうゆ麹」を作ります。このショウガしょうゆ麹を、軽く炒めたカツオステーキにからめれぱ美味しいステーキの出来上がり。
【材料】
・カツオ(さく): 1さく(今回は350g)
・ニンニク:2片
・サラダ油:大さじ1
・しょうゆ麹:30g(乾燥麹10gとしょうゆ20gを混ぜて作る)
・おろしショウガ:8g
・水:50ml
・酒:大さじ1
・青ジソ(添え野菜として):適量
・大根(添え野菜として):適量
【作り方】
1./きれいに洗った瓶に、乾燥麹をほぐして入れる。醤油を足して、よく混ぜる。
2./1日1度、かき混ぜる。常温で夏場は3日ほど、それ以外の季節なら1週間ほど置く。色が黒くなり、乾燥麹の粒々が柔らかくなってトロミがついたら出来上がり。
3./おろしショウガを入れて混ぜる。
(左)作り始め、(右)出来上がり
4./カツオのさくに薄く塩(分量外)をふって放置する(臭みを取り、余分な水分を出させるため)。
薄く塩を塗っておく
5./カツオを放置している間に、青ジソを洗い、ダイコンを千切りして皿に盛っておく。ニンニクを横薄切りにする。
6./4のカツオの塩分と水分を、キッチンペーパーで軽く拭き取る。
7./フライパンにサラダ油を入れ、強めの中火でニンニクを炒める。カリカリに炒めたら、取り出しておく。そのフライパンに、6のカツオを入れる。カツオに酒を振り注ぎ、蓋をして炒める。さくの各面それぞれ1分程度、表面の色が変わるまで火を通す。途中で焦げそうになったら、サラダ油少量(分量外)を足す。
8./弱火に落とし、3のショウガしょうゆ麹と水を入れて、カツオ各面にからめる。
ショウガしょうゆ麹をからめる
9./クッキングペーパーを敷いたまな板に取り出し、幅1.5センチ程度に切る。5の皿に盛る。カツオの上に7のニンニクを置く。
カツオはステーキも美味しい
福田恭子/発酵食品ソムリエ。薬膳コーディネーター。フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国以上で取材。