今回の酸っぱさは、メヒカリと旬の山菜を合わせます。
ふっくらとした身と上品な旨みが美味しいメヒカリは、骨も柔らかく、扱いやすい魚のひとつ。そのメヒカリを酸っぱさと合わせ、今だけのほろ苦さのある山菜をあしらいます。
わかさぎや豆鯵などの小魚は、唐辛子をアクセントにして南蛮漬けにすることが多いのですが、今回はメヒカリの上品な旨みを活かすため、唐辛子を使わず旬の山菜・たらの芽の繊細な苦みをアクセントにしています。
メヒカリの酢漬けの作り方
【材料】(2人分)
・メヒカリ:100g
・たらの芽:6個
・米酢:50ml
・砂糖:大さじ1
・淡口醤油:小さじ1
・塩:少々
・煮干し粉:小さじ1/2
・小麦粉:大さじ1強
・油:適量
【作り方】
1./メヒカリを洗い、頭と内臓を除き、腹部に血などの残りがないようきれいに洗う。(頭と内臓が除かれたものを使う場合は飛ばしてください)
光る翡翠色の目が特徴の、メヒカリ
2./たらの芽の下部のはかまを取り、洗い、水気を拭う。
3./小鍋に、米酢、砂糖、淡口醤油、塩を入れ、砂糖があらかた溶けるまで混ぜたのち、火にかけ、ひと煮立ちさせ、粗熱が取れたら煮干し粉を入れ、混ぜる。
平らなバットがあれば漬けるのに便利
4./1のメヒカリに小麦粉をまぶす。
5./油を温め、2のたらの芽と4のメヒカリを揚げる。メヒカリは淡いきつね色になり菜箸で持ったときに静かな振動を感じられたら揚げ上がりのサインです。
揚げ油は鍋に深さ1cm強ほど注げば十分
6./油切りをした5のたらの芽とメヒカリを3の合わせ酢に漬け、30分ほど置いたのち、器に盛り付けたら出来上がり。
途中メヒカリとたらの芽の上下を入れ替え
山菜のほろ苦さがメヒカリを引立てる
今回はスーパーなどで見かける、頭と内臓を落としたメヒカリを使っていますが、さばいてないメヒカリを扱う場合は、内蔵とエラを除いてきれいに洗い、お好みで頭付きで作っていただいてもOKです。
その昔、市場でしか見かけることのなかったメヒカリが小売店に並ぶようになり、筆者はとても嬉しい。ぜひメヒカリの美味しさに出逢ってみてください。
(文・写真◎奥田ここ)
国内外各地の市場を「師」とあおぎ、様々なスタイルでの和食及びイタリア家庭料理の料理教室を主宰。各種媒体・広告へのレシピ提供や食材産地の取材および食に関する企画・執筆、オーダーメイド仕様の出張料理など、国内外問わず活動中。素材の味を大切に無駄なく使い切る献立作りを心掛けている。
kokookuda (https://www.instagram.com/kokookuda/)
文庫版サイズ(厚さ1.2×横10.5×縦14.8cm)
304頁
定価:本体1,800円+税
発行:株式会社IDP出版
ISBN978-4-905130-43-7
◎入手方法
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