スーパーなどで鯛の頭と粗(あら)が安く売られているのを見かけたことはありませんか。1尾分、大体数百円で買うことができる鯛の粗は、少し手間をかけるだけで、料亭で出されるような絶品の煮つけをつくることができます。
小泉先生が『魚は粗がいちばん旨い 粗屋繁盛記』(新潮文庫)を上梓されるほど、魚の粗は調理法によって素晴らしく美味しくいただくことができます。
「鯛のあら煮」の作り方
今回の鯛の粗は市場で購入(200円)したため1尾分ほとんど包丁が入っていませんが、スーパーなどでは中骨も、甲(頭)も切ってあり、ウロコもある程度取って処理されているものがほとんどです。鯛の骨はとても固いので、こうした下処理済のものを購入した方が無難です。
なお、バラバラになりやすい魚の煮物をきれいに仕上げるコツは、煮すぎず、途中で触らず、煮汁を煮詰めて上からかけ、煮汁につけながらいたくようにすることです。
真鯛1尾分の粗
【材料】
・鯛の粗:1尾分
・出汁昆布:10cm程度
・根生姜:皮付き薄切りで5枚程度
・日本酒:200ml
・本味醂:100ml
・水:50ml(調製用)
・醤油:大さじ3~4
・砂糖:大さじ3
【作り方】
1./あらかじめ湯を沸かし、鯛の粗を流水で洗ってから、30秒ほど茹でて水に浸ける。さっと茹でるだけにしないとバラバラになってしまうので注意。
2./水の中に入れたまま、頭のウロコを取る。特に下記〇印部分に細かいウロコがあるので、手で触りながら逆なでして取る。茹でているので簡単に手で取れる。あとは逆なでしながらウロコが触ったら取って行く。
赤丸の部分に特に細かいウロコが多い
下処理完了
2./煮汁を作る。出汁昆布、日本酒、本味醂、薄切りの根生姜を入れた鍋を沸騰させ、アルコール分を飛ばす。そこに砂糖、醤油を入れて煮立てる。
3./2の下処理した粗を静かに鍋に並べていく。
4./10分程度、落し蓋をして中火から比較的強火で煮る。途中ひっくり返したりせず、そのまま煮る。汁気が少ないようなら水を少々加える。
くっつきそうなら鍋を揺する
5./ヘラやフライ返しなどで粗だけを取り出して器に盛る。バラバラになりやすいので注意。
6./鍋に残った煮汁を煮立てて半分程度まで煮詰め、5にかけて出来上がり。昆布は細く切って一緒に盛っても美味。
煮汁を煮詰める
(文責・編集部)