小泉武夫先生の7作目の小説『骨まで愛して 粗屋五郎の築地物語』(新潮社)が、新聞、雑誌各社の書評欄などに続々と取り上げられ、大きな反響をよんでいます。
小説の舞台は日本唯一の粗料理専門店。鰤大根、烏賊の腸煮(わたに)、鱶鰭(ふかひれ)の姿煮など、登場する名物料理の数々は、訪れる人々の舌を“残すとこなく”口福で満たしていく。粗の魅力に取りつかれた小泉先生が渾身の愛を込めて綴る、垂涎必至の人情小説です。これまであまりかえりみられることの少なかった“粗”にスポットを当て、食の奥深さと食の魅力を伝えています。
さっそく粗料理に挑戦してみました
スーパーマーケットの鮮魚コーナーへ行くと、ガラス越しの調理場でせっせと魚の下処理をしているスタッフの姿を目にすることはありませんか?
この作業場で大量に発生するのが魚の粗。粗は、魚を2枚、3枚おろしにした後に残る、頭や中骨、かま、尾などの部分を言います。なかでも、日本人が大好きなマグロの粗は、魚自体のサイズが大きいため多量に発生するのです。
手に入れたマグロの粗。じつは鮮魚コーナーには並んでいませんでしたが、スタッフに尋ねてみると、調理場から出してきてくれたのです。店舗によって、粗は販売されずにそのまま棄てられてしまうこともあるため、一度声をかけて確認してみましょう。
この量で289円!
今回は、そんな安く手に入れたマグロの粗をつかって、絶品の手づくりツナのご紹介!大量に作って、冷凍庫で保存すれば、いつでも大活躍できること間違いなし!缶詰めのツナが食べられなくなってしまうほど、ジューシーで美味しい手づくりツナ。ぜひ、粗を手に入れてトライしてください!
マグロの粗で自家製ツナの作り方
【材料】
・マグロの粗:600~700g
・塩:大さじ1~2
・乾燥ローズマリーの枝:15cmくらいを2本(お好みで)
・ローリエ:1枚(お好みで)
★煮汁
・水:500cc
・オリーブオイル:150cc
・顆粒コンソメ:大さじ1
・胡椒:適宜
【作り方】
1./粗は両面に塩を振り、冷蔵庫で30分ほど寝かせてなじませる。時間が経ったら、軽く水洗いして、キッチンペーパーで水分を拭き取っておく。
2./鍋に1の粗と★をいれ、火にかける。ローズマリーやローリエは魚の臭み消しに最適。お好みで入れてみよう。
沸騰するまで中火で
3./沸騰してきたら弱火にし、フツフツとした状態で20分ほど煮る。
表面の灰汁も取り除いていく
4./火をとめ、そのままあら熱をとる。冷めたら密閉容器に移し、冷蔵庫保存。食べる分を取り出し、手で細かく割いて使おう。3~4日で食べきろう。