朝晩ぐんと冷えてきました。今回は、江戸の頃より親しまれているねぎま鍋を作ります。ねぎ=長ねぎ、ま=まぐろ(焼き鳥の「ねぎま」というものもあるのでややこしいですね)、食材はいさぎよく、ねぎとまぐろのみ。シンプルで最高のごちそうです。
ねぎまの小鍋仕立ての作り方
【材料】
・まぐろ:サク1本(約150g)
・長ねぎ:1/2本
・生姜:20g
<鍋つゆ>
・だし:2と1/2カップ
・塩:小さじ1/4
・醤油:大さじ1/2
・淡口醤油:大さじ1/2
・日本酒:大さじ2
・大根:適量
・唐辛子:適量
・青ねぎ:適量
【作り方】
1./熱湯に塩少々(分量外)を入れ、まぐろのサクをさっと通しザルにあげ、一口大に切る。
2./長ねぎを4cm長さに切る。(バーナーがあれば表面をさっと炙る)
長ねぎの風味が一層際立つ
3./生姜の皮をむき、すりおろす。
4./大根をすりおろし、余分な水分を切る。
5./唐辛子を刻み、青ねぎを刻む。
6./4の大根おろしに5の刻んだ唐辛子を混ぜ、もみじおろしを用意する。
唐辛子の紅色に染った大根おろし
7./鍋に鍋つゆの調味料をすべて入れ、ひと煮立ちさせ、2の長ねぎを入れる。
長ねぎの香りと旨みを重ねる
8./再び沸いたら、1のまぐろを入れ、3の生姜の搾り汁(露生姜)と、5の青ねぎを散らして出来上がり。まずはそのままの味で、続いて6のもみじおろしを使った味わいも楽しむ。
小鍋仕立で楽しむねぎま鍋
江戸の頃のねぎま鍋は、今回ご紹介のすまし汁仕立てではなく、醤油やみりんを使ったこっくりとした味わいで作られていました。なぜなら猫またぎとも言われ当時は人気のなかった大トロを使ったねぎま鍋で、現代のように冷蔵庫のなかった時代、脂も多く、痛みも早い大トロをいただくための工夫から生まれた食べ方でした。
筆者はすまし仕立ても、こっくりとした味わいも、どちらのねぎま鍋もよく作ります。別の機会に江戸風のねぎま鍋もご紹介いたします。
(文・写真◎奥田ここ)
国内外各地の市場を「師」とあおぎ、様々なスタイルでの和食及びイタリア家庭料理の料理教室を主宰。各種媒体・広告へのレシピ提供や食材産地の取材および食に関する企画・執筆、オーダーメイド仕様の出張料理など、国内外問わず活動中。素材の味を大切に無駄なく使い切る献立作りを心掛けている。
kokookuda (https://www.instagram.com/kokookuda/)
文庫版サイズ(厚さ1.6×横10.5×縦14.8cm)
464頁
定価:本体2,000円+税
発行:株式会社IDP出版
ISBN978-4-905130-46-8
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