小泉武夫先生の7作目の小説『骨まで愛して 粗屋五郎の築地物語』(新潮社)が大人気です。小説中では魚の粗(あら)を、主人公の粗屋五郎が絶品料理に仕立てます。その料理があまりに美味しそうなので、読後はどうしてもスーパーの魚コーナーの“粗”に目がいってしまいます。今回はマグロの血合いを見つけたので、竜田揚げを作ります。
「マグロの血合いの竜田揚げ」の作り方
マグロの血合いには、ビタミンA・B・D・Eや、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)、鉄分(赤身の2倍!)・亜鉛・マグネシウムなどが豊富に含まれ、しかも高タンパクで低カロリー。特に女性にはうれしい食材です。下処理をしっかりすれば、臭みも抜けて美味しくいただけます。竜田揚げは、魚というより肉に近いボリュームのある食感で、味に深みがあります。
【材料】
・マグロの血合い:200g
・醤油:大さじ2
・日本酒:小さじ1
・本味醂:小さじ1
・生姜のすりおろし:小さじ2程度
・片栗粉:適宜
これで100円!鮮度抜群の血合い
【作り方】
1./臭みを抜くために、2~3回塩水で洗う。洗ったらキッチンペーパーでしっかり水気を拭きとっておく。
2./1を一口大に切ってボウルに入れ、醤油、日本酒、本味醂、生姜のすりおろしを入れてよくなじませ、冷蔵庫で1時間~半日程度休ませる。
よく味をなじませる
3./2をキッチンペーパーで水分をふき取ってから片栗粉をまぶし、180℃で5分程度、カラッと揚げて出来上がり。
カラッと揚がって香ばしい
実は、今回使った鮮度の良い血合いにはトロに近い身が付いていたので、あらかじめ血合いから身の部分をはずしておきました。骨もないので簡単にはずせます。
とても美味しそうなトロが取れた
計ってみると血合い200g、身が80g程度もありました。これをネギトロ軍艦と鉄火巻きにしてみました。100円で竜田揚げと海苔巻きの2品ができたわけです。粗を丁寧にさばくと、こうした楽しみもあります。
この量でも1/3使っただけ
ただし、このように刺身として料理する場合は必ず鮮度を確認してください。