日本酒に梅干しや鰹節などを加えて煮詰めた煎り酒は、醤油が普及する以前の室町時代からある調味料です。醤油のように長期保存がきかないために、醤油の普及とともに利用が減っていきましたが、醤油ほど味が強くないために、白身魚など素材の味を引き出してくれます。歴史ある調味料ですが、塩分量が少ないことや作り方が簡単ということで、今、注目されています。
手軽に旨味たっぷりの煎り酒を作り、オリーブオイルとライムを合わせて白身魚(今回は、桜鯛〈春先に出回る真鯛のこと〉を使って)と香味野菜のカルパッチョを作ってみました。最後にブラックペッパーをミルでひとかけして、軽くスパイスをきかせて召し上がれ!
【材料】
◆煎り酒◆
・日本酒:200ml
・梅干し:大1個
・だし昆布:5cm
・本枯節:10g
旨味たっぷりの材料
◆カルパッチョ◆
・鯛(刺身用):1さく
・ルッコラ:適量
・クレソン:適量
・サラダセロリ:適量
・ライム:搾り汁大さじ1/2~1
・オリーブオイル:大さじ1~2
・ブラックペッパー:適量
【作り方】
1./煎り酒を作る。日本酒・梅干し・だし昆布・本枯節をすべて鍋に入れ、中火にかける。沸騰したら弱火にして5分煮る。
煎り酒の材料をすべて入れる
2./1の粗熱が取れたら、保存容器に全て入れたままの状態で冷蔵庫で1晩寝かす。
濾さずに寝かせる
3./2を濾し網などで濾して、煎り酒のできあがり。保存容器に入れて冷蔵庫で1週間ほど保存可能。
旨味の宝庫の調味料!
4./カルパッチョを準備する。ライムは、1/2を搾り汁用として残りは薄く切っておく。ルッコラ、クレソン、サラダセロリは、洗って水を切り、食べやすい大きさにして、皿に盛る。その上に鯛の刺身を、盛り付ける。
香味野菜と白身魚でサラダ感覚
5./オリーブオイルとライムの搾り汁を4の全体にまわしかけ、3でできた煎り酒もたっぷりとまわしかけてできあがり。最後にブラックペッパーを、お好みでかける。
煎り酒をたっぷりとかけて
6./刺身をたたくように細かく切り、木の芽を細かく刻んだものと混ぜ合わせ、煎り酒を適量加えて混ぜ合わせる。煎り酒で木の芽和えも。
木の芽をたっぷりと使って
木の芽の香りと煎り酒の旨味
坂本広美/発酵食品ソムリエNo.111。発酵料理愛好家。スクールカウンセラーなど子育て相談も務め、子どもの心とからだの成長発達に大切な「食」を親子で楽しむイベントなどを開催。
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