京都のお節料理「三つ肴」が残ってしまったときのアレンジレシピをご紹介してきました。ラストはゴマメ(関東では「田作り」と呼ぶ)です。
ゴマメは、イワシの稚魚を乾煎りしてから砂糖とみりんとしょうゆでアメ煮にした料理。ということは、いわば「味付き出汁の素」。おいしい調味料にならないはずがない。
細かく砕いたゴマメを醤油麹に混ぜました。それだけだと苦味が強く出たので、仲介にショウガを加えました。すると1週間後、絶品の発酵調味料に! イワシのカルシウムも丸ごといただけます。ほとんどの料理に使えるので重宝ですよ。
ゴマメとショウガ入り醤油麹の作り方
ゴマメは少量の水で柔らかくしてから砕きます。すべてを混ぜ、1日に一度かき混ぜて常温放置。最初は材料それぞれの味がばらばらに感じられますが、次第になじんできます。1週間ほどでとろみが出て、おいしくなります。温度の高い夏場は3日ほどで冷蔵保存してください。
【材料】
・ゴマメ:20g
・水:大さじ2程度
・醤油:200g
・乾燥麹:100g
・おろしショウガ:100g
【作り方】
1./フライパンか小鍋にゴマメと水を入れ、弱火で加熱する。ゴマメが水を吸って柔らかくなればOK。水が足りなければ、大さじ1ずつ足し入れる。
ゴマメを柔らかくする
2./フードプロセッサーに1のゴマメを入れ、細かく砕く。
細かく砕く
3./2に、手でもみほぐした乾燥麹、醤油、おろしショウガを入れてよく混ぜる。
すべての材料を混ぜる
4./きれいに洗った瓶に3を詰める。常温で置いておく。1日に一度、瓶の底からかき混ぜる。
瓶に詰めて1日に一度混ぜる
5./材料の味がなじんで、おいしくなったら出来上がり。冷蔵庫で保存する。
風呂吹き大根に
冷ややっこ、湯豆腐、鍋料理、ゆで野菜、肉や野菜の炒め物、焼き魚などの調味料として使えます。
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。2021年に発酵食品ソムリエの資格を取得。
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