今年も残すところあとわずかとなり、そろそろ新年を迎えるお節料理の準備に取り掛かる頃でしょうか。
お節料理を詰めるお重箱には、地方によって違いもありますが、それぞれの段に入れるお料理が決まっていることをご存じですか?
一の重:祝い肴(お屠蘇をいただく際の肴。黒豆や数の子、田作りなど)
二の重:口取り(お子様でも食べやすい、きんとんや紅白かまぼこ、伊達巻など)
三の重:焼き物(海の幸などご馳走感のあるもの)
与の重:煮物(山の幸を使ったお煮染めなど)
五の重:空にする(神様のための控えの重)
というのが基本とされています。それぞれの段に入れるお料理の品数も、「吉数」と呼ばれる奇数にするのがよいとされています。現在では簡易的な二段重や三段重が主流ですが、その場合は二の重に入れるものを一の重と三の重に振り分けて盛り込むなどしてまとめます。
さて、今回は縁起が良くて華やかな「酢の物」のレシピ二種をご紹介します。基本的には二の重へ、二段重の場合は一の重に詰めるようにしましょう。
お節は日本の伝統的な食文化です。ぜひその由来を知り、そこから各ご家庭でアレンジを加えるなどして、「わが家のお節」を作ってみてください。
紅白なますの作り方
赤と白の色合いがおめでたい一品です。
【材料】
・大根:1/4本
・人参:1/4本
(人参の赤色は目立つため、同量にすると大根の白がしずんでしまいます。大根と人参の比率は大根10に対し人参1~3程度にします。)
・塩:小さじ1
・酢:大さじ4
・砂糖:大さじ2
・柚果汁、柚皮:お好みで
【作り方】
1./大根と人参の皮を取り除き、5cm程度の長さの千切りにします。
分量の塩をふり、優しく混ぜあわせます。少ししんなりしてきたら揉み込むように混ぜ、そのまま5分ほど置いておきます。
大きさを揃えて味のムラを無くす
2./酢と砂糖を合わせたところに、水気を軽く絞った1を漬け込みます。お好みで柚子果汁と刻んだ柚子皮を加える場合はここで一緒に合わせます。
全体に甘酢がかぶるように
3./直ぐに食べても構いませんが、冷蔵庫で半日から一日置くとより味がなじんで美味しくなります。
紅白のバランスで美しく
菊花かぶらの作り方
おめでたい菊の花に見立てた華やかな一品です。
【材料】
・小蕪:4個
・酢:大さじ4
・砂糖:大さじ2
・塩:小さじ1/2
・鷹の爪:1/4本
・柚子果汁、柚子皮:お好みで
【作り方】
1./蕪は葉を切り落として皮をむき、葉のついていた方を下にして置きます。蕪に菜箸などを添え、格子状に切込みを入れます。
切り落としてしまわないように
2./3パーセント程度の食塩水(分量外)をつくり、1を入れます。お皿などで重しをして30分ほど漬け込みます。
500mlの水に塩大さじ1を目安に
3./酢と砂糖、塩を合わせ、しっかりと水気を絞った2を入れます。種を取り除いて小口切りにした鷹の爪と一緒に30分以上漬け込みます。
柚子を加えるならここで
4./できれば冷蔵庫で寝かして味をなじませ、翌日にいただくのがおススメです。
鷹の爪を花芯にみたてて飾る
大きめの蕪しか手に入らなかった場合は蕪を横半分に切ってから作業します。出来上がった物の裏に薄く包丁を入れてから手で優しく割き、お好みの大きさにします。
一口サイズで食べやすい
(監修:深尾由起子)