京都のお節料理「三つ肴」の一つ、カズノコが残ってしまったときのアレンジレシピを2種ご紹介します。
カズノコは、青魚であるニシンの卵なので、DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)を豊富に含んでいます。DHAは記憶力の維持に、EPAは血栓や動脈硬化、脳梗塞の予防に役立つといわれています(カズノコには、マグロのトロよりDHAとEPAが多く含まれているのです)。
今回作る「なます」と「お茶漬け」は、どちらもささっと作れます。ぜひお試しください。
カズノコなますの作り方
大根とニンジンで作るなますを「紅白なます」と言いますが、さらに昆布とカズノコを加えます。
カズノコは白だし漬けを使います。塩抜きカズノコの場合は、白だしにひと晩漬けておいてください。
【材料】
・白だし漬けカズノコ:100g程度
・大根:300g
・ニンジン:50g(大根の1/6程度)
・昆布:1g
・塩:小さじ1
・酢:大さじ4
・砂糖:大さじ1
・白だし(カズノコを漬けていた調味液):大さじ1
【作り方】
1./昆布をキッチンバサミなどで細切りし、水(分量外)に漬けて柔らかくしておく。
2./ニンジンの皮をむき、先の細い部分を飾り用に5つほど薄切りにして取り置く。その他のニンジン
と大根の皮をむき、千切りにする。塩を加えてもみ、10分程度放置する。水が出るのでザルに入れておくとよい。
千切りして塩もみ
3./ボウルに酢と白だしと砂糖を入れ、混ぜて砂糖を溶かす。
4./2の大根とニンジンを水洗いし、水気をしぼる。
5./3の調味液に1の昆布と4の大根ニンジンを漬け、カズノコを加えて混ぜる。
材料を混ぜる
6./器に盛り、取り置いたニンジン薄切りを飾る。
さっぱりといただける
カズノコ茶漬けの作り方
京都の実家の父の好物でした。ご飯茶碗にご飯をよそい、その上に花かつお、白だし漬けカズノコ、粗みじんに切ったミツバを置き、わさびをチョンとのせて供します。材料はすべて適量、つまりお好みの量でどうぞ。お茶漬けと呼びますが、熱湯を注ぐのが一般的。もしくは玄米茶が合います。お味が薄いようなら、カズノコを漬けていた白だしを大さじ1ほど足してください。
ちょっとぜいたくなカズノコ茶漬け
お正月の名残を惜しみつつ
福田恭子/発酵食品ソムリエ。フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。
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