いま、“発酵”は大きな注目を集めています。発酵を取り巻く環境もすっかり変わってきました。健康志向の中、発酵によってつくられる発酵食品に人気が集まり、そのほかの分野でも新たな息吹が加えられています。つまり、発酵は古くて新しい学問になっているのです。
宮城大学で教鞭をとる金内誠教授は、小泉武夫先生の教え子でもあります。小泉先生の薫陶を受け、発酵学の分野で注目の学者として活躍中です。本書は、その金内教授が、発酵についてもう少し専門的な知識が欲しいという声に応えて著しました。
味噌、納豆からPCR検査、水質改良、バイオ燃料まで、発酵と微生物についてやさしく学ぶことができる一冊となっています。
「本書を推薦します!」発酵学者 小泉武夫
「目に見ることのできない微細な生きものを巧みに使い、生活文化に見事適応させた「発酵」という人類の知恵。この本一冊でその奇跡の浪漫を知ることができる」
『発酵の教科書―微生物のちからと最新の発酵技術まで』
刊行日:2022年7月28日
体裁:A5判/本文228頁
定価:2000円(税別)
ISBN:978-4-905130-40-6 C0043
◉発酵について総合的な見方・考え方が身に付く最新版!
◉脚注の解説が充実!
◉気鋭の発酵学者が執筆!
【主な内容】
▼第1章:発酵と微生物
発酵とは?/コンビニエンスストアは発酵技術でいっぱい/人間の役に立つ発酵/発酵食品のメリット
▼第2章:微生物
微生物とは?/微生物の分類/微生物が存在する場所/微生物の大きさ/微生物学の歴史/微生物産業としての発酵の歴史(ビール、ワイン、チーズ、清酒、酢、うま味調味料、味噌と醤油、鰹節、パン、製薬ほか)
▼第3章:食品産業・発酵を支える微生物たち
麹菌/その他の酵母類/食品に使われる細菌
▼第4章:医薬製品に関わる微生物
製薬利用の微生物
▼第5章:発酵の高度利用 ~発酵による酵素生産~
微生物に発酵を起こさせる「酵素」/酵素研究の歴史/その他の身近な酵素/特殊な「発酵」の利用
【著者】
金内誠(かなうち まこと)宮城大学教授
1971年、山形県生まれ。東京農業大学大学院農学研究科 博士後期課程生物環境調節学専攻修了。博士(生物環境調節学)。1999年カリフォルニア大学デーヴィス校 博士研究員、不二製油㈱入社 フードサイエンス研究所配属。2005年4月宮城大学食産業学部 フードビジネス学科 助手採用。2009年4月同 准教授、2017年教授を経て、現在に至る。主な著書・論文等;「発酵食品学」(小泉武夫編)講談社サイエンティフィック『すべてがわかる! 「発酵食品」事典 (食材の教科書シリーズ)』(小泉武夫 金内誠 舘野 真知子編)世界文化社、Lactic Acid Bacteria : Methods and Protocols ; Methods in Molecular Biology. Lactic Acid Bacteria など多数。