秋。お月さまの美しい季節です。
お月見のお供えには月見団子が一般的ですが、「中秋の名月」の別名「芋名月」にちなんで芋類を供える地域もあります。
京都では、里芋の煮っころがしを作ります。お出汁をきかせて薄味にし、舌でつぶせるほど柔らかく煮た料理は、お年寄りから離乳食のお子さんまで食べられる“おばんざい”の代表格。
この料理には、おいしいおまけがあります。
「明日はチーズコロッケや」
二日にまたがるおいしい時間をご堪能あれ。
里芋の煮っころがしの作り方
里芋のぬめりを取らずに、ねばねばした食感を活かす作り方です。ねばりを取りたい場合は、皮をむいた後、塩でしっかりもみ洗いするか、たっぶりの湯でゆでてから、以下の工程に入ってください。
【材料】
・里芋:1㎏(皮をむいた中身の分量)
・塩:大さじ1
・酒:大さじ1
・砂糖:大さじ1
・醤油(あればうす口醤油):大さじ3
・みりん:大さじ3
・水:600ml
・顆粒だし:小さじ2
【作り方】
1./里芋の皮をむく。上面と下面を薄く横に切り落とし、上から下へ切ると、手早くきれいに仕上がる。塩で水洗いする。ぬめりを取るためではなく、白色を保つためなので、ざくざくと洗う程度でよい。
塩洗いできれいな仕上がりに
2./鍋に、1の里芋と材料すべてを入れ、中火にかける。沸騰する前に、弱火にして落とし蓋で煮る。
泡がこの程度立ったら落とし蓋を
3./煮汁がなくなりかけたら蓋を取り、鍋を揺すって里芋に煮汁をからませる。
大皿に盛る
●里芋のチーズコロッケ
煮っころがしを使って、チーズコロッケを作ります。
【材料】(6個分)
・里芋:300g
・チーズ:60g
・卵:1個
・小麦粉:適量
・パン粉:適量
・油:適量
【作り方】
1./里芋の煮っころがしを、マッシャーやフォークなどでつぶす。フードプロセッサーを使ってもよい。
粗いペースト状にする
2./1を6等分し、チーズ1/6ずつを包む。手にひっつく場合は、手に水をつけて作業するとよい。小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけ、小判型に成形する。
揚げる前の状態
3./フライパンに油を入れ、170度~180度に熱する。2をきつね色になるまで、上下を返しながら揚げる。
チーズがトロ~リ
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。