「セリ、ナズナ……」で始まる『春の七草』。その筆頭に詠まれているのが、奈良時代から食されてきたセリです。βカロテンやビタミンCが豊富に含まれ、粘膜などを正常に保ち、免疫機能を高める効果が期待できます。
白和えにすると、なごり雪の中に緑の芽吹きを見るようで、春を引っ張ってきてくれる気がします。
セリの白和えの作り方
豆腐には、木綿と絹がありますが、春の白和えには絹豆腐がおすすめ。水分をしぼらないので、エネルギー代謝の補酵素であるビタミンB類が多く残っているからです。寒い間に沈滞していた代謝を、絹豆腐のビタミンB類で活発にしたいものです。白味噌を足して、味噌の風味と発酵の力も加えます(ちなみに木綿豆腐は水分をしぼって作るので、たんぱく質やカルシウム、植物繊維などが豊富)。
【材料】
・セリ:200g
・白ゴマ:大さじ1
・絹豆腐:1/2丁(175g)
・白味噌:大さじ1
・醤油(あれば、うすくち醤油):小さじ1
・顆粒だし:小さじ1
・みりん:小さじ1
【作り方】
1./豆腐をキッチンペーパーで包み、200Wのレンジに3分かけて水気を切る。
レンジで簡単に水切り
2./すり鉢で、ゴマをする。
丁寧にする
3./1の豆腐、白味噌、醤油、顆粒だし、みりんを入れて、擂り混ぜる。
4./セリを熱湯でさっとゆがく。水にとり、よくしぼって、長さ2㎝ほどに切る。
5./4のセリを3のすり鉢に入れて、混ぜ合わせる。すり鉢の溝にたまった調味料もしっかり混ぜる。
全部を混ぜ合わせる
春を味わう
●ゴマをクルミに替えて
ゴマをクルミ10gに替えます。作り方は同じ。ほうれん草とエビの白和えにしました。
クルミの風味が豆腐に合う
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。