【歴メシを愉しむ(35)】
二十日正月~鰤カマで粕汁にお弁当に舌鼓

カテゴリー:食情報 投稿日:2020.01.20

一月二十日を「二十日正月」といい、正月の祝い納めの日とされており、「終い(しまい)正月」ともいわれている。この日をもって、正月の飾り物などを全て処分して、正月の行事を終了とした。かつては仕事を休んだり、年末年始を忙しく立ち働いた女性が休息をしに里帰りをしたり、小正月からの里帰りから帰宅するなどの習わしがあったとか。

 

関西では「骨正月」「頭正月」「骨おろし」とも

昔から関西では、正月に欠かせない年取り魚の鰤の頭や骨まで食べ尽すという意味で、この日のことを「骨正月」「頭正月」「骨おろし」などと呼んできた。鰤の頭や骨は、酒粕を使った粕汁にして食べたという。いかにも大阪が誇る「始末の精神」が込められている習わしではないか。

幼い頃から大阪の実家では、師走の初めから大晦日の年越し膳、正月三が日、立春過ぎぐらいまで、旬魚の鰤は出番が多く、しょっちゅう食べていたので、特に「二十日正月」の日だから鰤を食べたという記憶は無い。が、鰤好き、カマ好き、粕汁好きの私にとって、なんとも素晴らしい風習だと嬉しくなる。

 

魚はカマほど旨い部位はない

鰤に限らず、魚はカマほど美味な部位は無いと日頃から思っている私、粕汁の場合はもちろん、焼き魚や煮魚にする際も普通の切り身では物足りないので、買い物に行く先々でいつもカマを探している。脂、コク、旨みが凝縮しており、周囲に付いている身は、その量が少ないことも手伝って、大事にチビチビ食べることで、さらに旨みが増大するのだ。好きな魚のカマを一つだけ挙げよと言われたら、一晩は悩むかもしれない。鰤をはじめ鯛、甘鯛、かんぱち、しまあじ、はまち、こぶだい、まぐろ、塩鮭…ああ、列記しているだけでヨダレが出てくる(笑)。

 

大好きな「鰤カマ弁当」の思い出

思い起こせば高校2年生の頃、兄妹の中でお弁当組が私だけとなったのをきっかけに、自分でお弁当を作り始めた。母が作ってくれていたお弁当は、母親らしく栄養バランスを考え、見た目も美しく、いろいろなおかずがチマチマと入っていたが、自分メイドのお弁当は、申し訳程度に野菜は入れるものの、見た目はどうでもいいから、好きな食べもの1種をどっさりと入れるスタイルに方針転換した。

そして、冬には大好物の鰤の大きなカマを塩焼きにして入れていた。女子高校生(今で言うならJK)らしく、可愛いキャラクターが描かれたお弁当箱をパカッと開けると、ご飯の上にこんがりと焼き上がった茶系の鰤カマがドカンとのっているのを見て、友達から、「わあ~っ、オッチャン弁当みたい~!」と、よく笑われたものだ。しかし、鰤にはEPAやDHA、たんぱく質が豊富。高校生にしては賢いおかず選択だったといえる。

「二十日正月」には、ひとつ高校時代を懐かしんで鰤カマ弁当を作ってみよう。もちろんあの頃とは違って、お茶ではなく、熱燗がお供にあるのだが。

歳時記×食文化研究所

北野智子

 

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編集部
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