柚子が旬を迎えていますが、鬼柚子、またの名を獅子柚子ともいう柑橘類をご存知ですか。鬼や獅子というなんとも怖い名前を冠するだけあって、普通の柚子の10倍ぐらい、グレープフルーツの2~3倍ぐらいの大きさで、小玉スイカぐらいはあろうかという存在感!実っている時は、あまりの大きさで枝がしなるほどだといいます。なんともインパクトのある果物なのです。
実の大きさが衝撃的
実は柚子の仲間にあらず
この鬼柚子、名前に「柚子」と付いていますが、実は柚子の仲間ではなく、文旦(ぶんたん)の亜種です。大きさの割に軽いのですが、これは表皮と果肉の間にかなり厚く白い綿状のものが詰まっていて果肉が小さいからです。香りは柚子というよりは、グレープフルーツのような感じがします。
一般名:オニユズ(鬼柚子)
学名:Citrus grandis(シトラス・グランディス)
別名:シシユズ(獅子柚子)
分類名:植物界被子植物門双子葉植物綱ムクロジ目ミカン科ミカン属ブンタン亜種
果肉が非常に少ない
鬼柚子の食べ方
食べてみると酸味はそれほどありませんが、かといって甘くもない。パサパサしていて生食には向かないようです。
しかし、皮と分厚い綿状の白い部分には「ヘスペリジン」という、柑橘類に多く含まれているポリフェノールの一種がたくさん含まれています。「ヘスペリジン」は、血流改善、新陳代謝の促進という健康効果があるので、外皮とこの大量にある白い部分を調理して美味しくいただきましょう。
●鬼柚子の丸煮
種以外はすべて使う丸煮です。手軽にできます。
1./鬼柚子の重さの半分~同量の砂糖を用意(甘さはお好みで)。
2./鬼柚子の種だけを取り、食べやすい大きさの3mm程度の薄切りにして10分ゆでる。
3./2をザルにあげて水を切ってから鍋に入れ、ひたひたの水と砂糖を入れて弱火で30分程度煮る。水分が少し残る程度で火を止めて出来上がり。
3mm程度の輪切りにする
苦味なく柔らかくて美味
●鬼柚子のピール
果肉部分は使いません。ゼリーのような食感で上品なお茶うけになります。
1./鬼柚子の果肉部分を取り、皮と白い部分を5mmの厚さに切り計量しておく。
2./5分茹でて水を捨て、再び水を入れて5分茹でる、を3回繰り返す。
3./2の水を切り、鍋に1の重さの8割の砂糖を入れて混ぜ、3時間程度置いておく。
4./3を中火で焦げないように鍋をゆすって水分がなくなるまで煮詰める。
5./トレイなどに重ならないように並べて干し、2,3日水分を飛ばす。
6./5にグラニュー糖をまぶして出来上がり。
おおぶりのピールはお茶うけに
鬼柚子は縁起物
獅子や鬼が邪気を祓うからとか、実が大きいことから実入りが大きい、など縁起物として人気があります。切ったりしなければ長期間しなびることがないので、店頭などに飾る方も多いそうです。飲食店などで飾られているのを見かけているかもしれません。
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