「匂いマツタケ、味シメジ」という言い回しがあります。
マツタケの名産地、京都では50年ほど前には「マツタケチリメン」を作っていたものです。マツタケが手に入りにくくなって、シメジを使うようになりました。ところがこのシメジ、お味という点ではマツタケに優るとも劣らない食材なのです。
秋も深まり気温が下がって、ぶぶ漬け(お茶漬け)の恋しくなる季節。ぜひお試しください。
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シメジチリメンの作り方
佃煮とちがい、砂糖やみりんなどの甘味料は使いません。酒と醤油で水気が飛ぶまで炒り煮して、ソフトなふりかけ状にします。
昆布は、お出汁に使った出がらしで十分。お吸い物などに使った後、冷凍してためておくと便利です。
【材料】
・シメジ:100g
・チリメンジャコ:20g
・昆布(お出汁を取った後の物でOK):20g
・酒:大さじ3
・醤油:大さじ1(お好みで足してもよい)
相性の良い3つの食材
【作り方】
1./シメジの石づきを切り落とし、ほぐす。汚れを取るため、軽く洗う。
2./出汁を取った後の昆布を、小さな短冊状に切る。新しい昆布などで乾燥している場合は、少量の水につけて柔らかくしてから、切る。
3./1のシメジとチリメンジャコ、酒、醤油を小鍋かフライパンに入れて、弱火よりやや強いくらいの火にかける。混ぜて、それぞれの味をなじませる。
材料の味をなじませる
4./汁気がなくなってきたら、昆布を入れる。混ぜながら、水分をとばす。
白ご飯にのせても美味しい
秋のぶぶ漬け
福田恭子/フリーランス・ライター。京都市生まれ。ドイツ・テュービンゲン大学で学ぶ。文化を専門として茶道家元や京都の老舗料理店の広報誌編集長を務め、国内各地や世界50カ国で取材。