日本人は世界一長寿の国として知られています。二〇〇九年時点での平均寿命は女性が八六・四四歳、男性が七九・五九歳で、四年連続過去最高記録を更新しました。
なかでも沖縄県は「長寿県」というイメージがあります。厚生労働省が発表している男女別の平均寿命の都道府県ランキングを見ると、女性部門では一貫して沖縄県が第一位を占めています。ところが、男性部門を見ると意外な結果になっているのです。
若い世代の寿命が短くなっている
まずは、男性部門の平均寿命の都道府県ランキングを見てみましょう。
二〇〇五年は一位が長野県で、二位以下が滋賀県、神奈川県、福井県、東京都、静岡県、京都府、石川県、奈良県、熊本県と続きます。
二〇〇〇年は一位が同じく長野県で、二位以下が福井県、奈良県、熊本県、神奈川県、滋賀県、京都府、静岡県、岐阜県、埼玉県と続きます。不思議なことに、どちらも沖縄県は上位に出てきません。 いったいどうなってしまったのでしょう。沖縄県の男性の平均寿命は、一九八五年の調査では一位でした。それが一九九五年には四位に下がり、二〇〇五年には二五位と全国平均を下回るようになってしまったのです。
もうひとつ、二〇〇五年に調べた大切なデータがあります。おもな年齢の男性があと何年生きられるかを示す、平均余命の上位三〇位までを示したデータです。これで沖縄県の男性を見ると、七五歳と六五歳はどちらも一位であるのに、四〇歳で二〇位と大きく下がり、二〇歳で二六位、〇歳で二五位と低迷しています。沖縄の男性は、若い世代ほど寿命が短くなっているのです。
小泉武夫