泡盛を飲む前に食べる理由
ラフティーは、典型的な中国料理です。中国ではこのようなゼラチンやコラーゲンたっぷりの料理を阿膠料理(あきょうりょうり)と呼びます。沖縄県でアシテビチと呼ばれる豚足料理も同じで、トロトロに軟らかく煮込んで作ります。総じて沖縄県では、豚肉がよく食べられていました。
なぜ阿膠料理が中国や沖縄で食べられるのかというと、中国では白酒という焼酎を飲みます。沖縄では泡盛を飲みます。どちらも本来はアルコール分が四〇度から五〇度はある強い蒸留酒で、そのまま飲むと胃潰瘍や胃がんになりかねません。
そこで、阿膠料理が登場するのです。これは胃カメラを使った研究で証明された話ですが、泡盛を飲む前にラフティーやアシテビチを食べると、食べずに飲む場合と比べて胃壁のダメージがまるで違います。強い酒を飲む前に阿膠料理を食べると、ゼラチンやコラーゲンで胃壁がブロックされて、簡単には胃潰瘍や胃がんにならないのです。そういうところまで、沖縄は中国の医食同源、薬食同源の影響を受けてきました。
小泉武夫