なぜ奄美大島の人は長寿なのか?(2)【小泉武夫・賢者の非常食(58)】

カテゴリー:食情報 投稿日:2019.07.20

 平均寿命が高い奄美大島島民を支える食生活とは?

 さて、私が鹿児島大学の客員教授になった翌年、二〇〇七年二月に鹿児島大学が離島シンポジウムを奄美大島で開催したので、私も参加したのです。そこで、奄美大島は大変平均寿命が高く、その上罹患率(りかんりつ)が少ないのはどうしてか、というのがそのときのシンボシウムの主題でした。その研究報告が発表されましたが、奄美大島の人々は、昭和三五~三六年頃の食生活を今も続けていることがわかったのです。

 何を食べているかというと、米や小麦も食べますが、何といっても多いのはサツマイモや野菜、果物、モズクなどの海藻類、魚です。それが、奄美地方と沖縄県との大きな違いでした。沖縄県は、昔は医食同源、薬食同源だったのに、突然食生活がアメリカ化しました。一方奄美地方は、基地化をまぬがれて異国の食文化が入ってこなかったために、昔からの食生活を続けました。その差が、住民の平均寿命の違いとなって現われているのです。

 このことは、私たちにひとつの真実を指し示しています。昔から食べてきたものを食べ続けることが、いかに健康に良いかということです。私たちは、このことを肝に銘じなければなりません。外国の食生活を真似てはいけないのです。民族の食というものは、急に変えてはなりません。これは、どの時代、どの地域にも当てはまる真実です。ですから私は、三月一一日のあの未曾有の大災害を機に、日本人は今一度日本人とは何かを問い直し、 一刻も早く自分たちの食生活を見直すべきだと思っています。

小泉武夫

 

 

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