免疫力を高めるポイント(2) 【小泉武夫・賢者の非常食(13)】

カテゴリー:食情報 投稿日:2018.08.15

「腸能力」の高め方

 ところで、赤ちゃんがお母さんのおっぱいからラクトフェリンをもらっている期間は、せいぜい半年間しかありません。後は、新生細胞の力で外敵を倒しています。人間は、この新生細胞を35〜36歳まで造り出すことができるといわれています。アスリートが活躍できる限界がこのあたりにあるものもなんとか理解できるのです。

 35~36歳を過ぎると、人間は次第に新生細胞を生み出す力が弱まってくるといわれています。あとは、細胞が死んでいくだけになるのです。中高年になると、毎日何万個という細胞が死んでいきます。こうして細胞から免疫力が取れなくなったら、人間は腸から取るしかありません。これには、2つの方法があります。

 ひとつは、先ほど述べた繊維質の接種です。繊維質を含む植物系の食べものを摂っていると、腸の蠕動運動が活発になり、免疫力が高まります。もうひとつは、おもにビフィズス菌などの腸内細菌です。こうした乳酸菌を腸内で吸収することによって、我々は免疫力を強めることができます。

 つまり「腸能力」を高めることによって、免疫力も高まるのです。この2つの要素、繊維質をたくさん含み、そのことによって腸内細菌の発生しやすい環境を整える力が、両方とも和食には備わっています。私が「日本人は古来から食べてきたもの、つまり和食を食べていると元気になる」と話す裏には、そういう理由があります。

 

「食・衣・住」の未来

 さて、人間が生きて行くためには、何を食べなければならないのでしょうか。よく昔から「衣・食・住」といいますが、私は「食・衣・住」の順番だと思っています。そのくらい、食べものは命と直結しているわけです。食べものがなかったら死んでしまいます。

 人間もそうですが、すべての生き物は、体の中に栄養源を取りこまなければ生きていけません。ではその栄養源とは何かというと、目に見えない微生物を含むあらゆる生き物は、糖を必要としています。そのことは、微生物を培養するときに、ブドウ糖入りのリッチな培養液を作って育てることからもわかります。

小泉武夫

 

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編集部
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