寒さが厳しく、冬の陽ざしがあるこの時期は、干物を作るには絶好の気候です。なかでも「くさや」は小泉センセイをはじめ、熱烈なファンがいます。そこで、塩辛の残った汁で「くさや」風干物に挑戦してみました。「くさや」は主に伊豆諸島が産地で、ムロアジやトビウオの開きを魚の身や内臓を発酵させた塩汁に漬けて干したものです。独特の臭みがありますが、味は抜群です。「くさや」の漬け汁は入手できないため、イカの内臓を発酵させた塩辛の残り汁で代用します。今回は開いた真アジを漬けこみ、干してみました。
「くさや風干物」の作り方
入手しやすい真アジを使います。開き方は腹からですが、難しければスーパーの魚売り場などでは捌きをお願いすることもできます。塩辛はイカの身をすべて食べ終わったものを取っておくと便利です。塩辛の残り汁は日本酒でのばしますが、日本酒の量は塩辛の塩加減で調整しましょう。
【材料】
・真アジ:2尾
・塩辛の残り汁:大さじ2程度
・日本酒:大さじ1程度
【作り方】
1./塩水で洗った真アジを腹に切れ目を入れ、はらわたを出してから開き、えらを取って塩水で洗ってザルに上げておく。
真アジを開いて塩水で洗っておく
2./塩辛の汁のみを大さじ2程度ボウルに入れて味を見る。塩気が海水より少し甘い程度になるまで日本酒でのばす。最初から甘塩であればそのままでOK。 3./保存袋に2を入れ、水気をよく切った1を入れて魚全体によくなじませ、冷蔵庫で20分程度置く。
アジによく漬け汁をなじませる
4./20分程度経ったら袋から出し、そのまま串などに刺して1日程度干す。表面が乾いて身がしまった感じがしたら出来上がり。1日程度冷蔵庫で休ませると脂が回って美味しくなる。
冬の陽ざしと乾燥で1日で乾く
表面が乾いて干し上がった状態