150年以上続く老舗の甘酒
1月7日、編集部も初詣に出かけました。雲ひとつなく青空が広がる神田明神。JR御茶ノ水駅から歩いて6、7分で門前に到着。参道前の道路まで参拝客の列が延びています。大半がビジネスマン。仕事始めに会社の同僚と初詣に来ているようです。
神田明神は、730年(天平2年)創建という東京でも最も由緒ある神社のひとつ。商売繫盛、仕事運をもたらしてくれる神社として知られています。
神田明神
そんな神田明神の参道に発酵学者・小泉武夫東京農業大学名誉教授(発酵文化推進機構理事長)がこよなく愛する甘酒茶屋の「天野屋」があります。創業は江戸時代末期の1846年(弘化3年)。旧中山道に面していたことから、旅人が甘酒で一服していたのです。
甘酒茶屋「天野屋」
天野屋の地下6mの土室(むろ)では、昔ながらの製法で甘酒が作られています。店の前には参拝を終えた人たちが甘酒を求めて列をなしています。自家製米糀を使った甘酒は、天野屋の糀室で育った麹菌によってまろやかな甘さとすっきりした味わいが特長的。一杯350円で運気を頂戴しました。
「天野屋」の甘酒(一杯350円)
甘酒は赤ちゃんでも飲める
小泉先生は、「甘酒は飲む点滴」、「甘酒は夏の季語」など甘酒の機能性をいち早く広め、今日の甘酒文化定着に先鞭をつけました。
甘酒は自宅でも簡単に作れます。米を蒸して、麹カビを加え、出来上がった米麹に炊いたご飯を加えます。ここにお湯を足し、暖かいところで一晩寝かせると出来上がり。この場合酵母を使用していないのでアルコールは一切含みません。本来の甘酒は、赤ちゃんでも飲むことができるのです。
甘酒の成分は20%ほどがブドウ糖、必須アミノ酸を豊富に含み、ビタミン類(ビタミンB1、B2、B6、パントテン酸、ビオチンなど)も多く、「ブドウ糖の溶液」、「必須アミノ酸の強化液」、「総合ビタミンドリンク」といえるのです。まさに点滴と同じ成分。甘酒が「飲む点滴」といわれる所以です。
2019年、神田明神の初詣でいただいた甘酒で、イノシシ年にふさわしい元気パワーを充電しました。