よみがえった黒千石(くろせんごく)は理想の大豆?!

カテゴリー:食情報 投稿日:2018.11.28

黒千石(くろせんごく)という大豆の名前を聞いたことはありますか?
その名の通り、種皮が黒色をした黒豆の一種で極小粒の豆。じつはこの黒豆が約30年の時を経て復活したという、幻の大豆なのです。
黒千石は北海道の在来種。通常の大豆より日照時間が必要だったり、天候にも左右されやすく栽培が難しいため1970年代に途絶えていた品種です。以後、幻の大豆と呼ばれていました。ところが、2001年に原種が見つかり、50粒ほどの黒千石のうち28粒の発芽に成功。その後、岩手県で栽培・研究が進み、2004年には、原産地である北海道で栽培が再開されたという大復活劇の大豆なのです。
黒千石が注目されている大きな理由のひとつに栄養成分が挙げられます。黒い皮の部分には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが黒豆の約2倍も含まれているのです。アントシアニンには、老化を遅らせる抗酸化作用があり、眼精疲労回復や視力改善作用なども期待できる成分。ブルーベリーに含まれている成分としても知られていますよね。女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きがあるとされている大豆イソフラボンの含有量もふつうの黒豆にくらべて高く女性にもうれしい大豆なのです。こうした効能が注目され、現在、スーパーマーケットなどでも黒千石でつくられた納豆が見られるようになりました。

黒千石納豆と黒千石入り酵素玄米

 

黒千石と麹でつくられた味噌も、風味ゆたかで、出汁を入れなくてもおいしいお味噌汁ができあがると注目されています。

黒千石と麹でつくられた味噌

 

最近では、黒千石入りのおにぎりが、他の大豆でつくられたおにぎりよりも食後の血糖値上昇をおさえる効果が高いという研究報告がされています。幻の黒豆を目にする機会があれば、ぜひ食べてみてください。

 

  •                    

\  この記事をSNSでシェアしよう!  /

この記事が気に入ったら
「いいね!」しよう!
小泉武夫 食マガジンの最新情報を毎日お届け

この記事を書いた人

編集部
「丸ごと小泉武夫 食 マガジン」は「食」に特化した情報サイトです。 発酵食を中心とした情報を発信していきます。

あわせて読みたい