黒さが旨みのもと! こっくり濃厚な「黒豆味噌」を仕込む

カテゴリー:レシピ, 味噌 投稿日:2018.10.08

アントシアニンが豊富な黒豆で自家製味噌を作る!

気温がぐっと下がってきて、味噌を仕込む季節がやってきます。味噌というと冬の寒仕込みで仕込むことが多いですが、夏以外は仕込みが可能です。
はじめて仕込む人だけでなく、いつも仕込んでいるという人にもおすすめなのが、黒豆で仕込む「黒豆味噌」。黒豆のおいしさは、ずばり黒い色。皮に含まれるアントシアンは、ポリフェノールの一種。眼精疲労をはじめ、さまざまな健康や美容効果が知られていますが、アントシアンは濃厚な旨みを作り出します。もちろん大豆なので、イソフラボンなどの栄養素も豊富です。

黒豆は大豆の一種なので、仕込み方は普通の大豆を使った味噌と同じ。大豆を黒豆にかえるだけでよいのです。強い旨みが持ち味の黒豆味噌は、普通の味噌と同様に料理に使うことができます。味噌汁はもちろん、味噌炒めや味噌煮などにも。

今年はぜひ、黒豆味噌にチャレンジしてください。

 

【材料】(できあがり約1キロ分)

・黒豆:300g(加熱後は約2.1倍=630g)

・米麹:300g(乾燥麹の場合は戻しておく)

    関連記事:「乾燥麹を生麹の風味に! 乾燥麹の戻し方」

・自然塩:150g

※たくさん作る場合は、黒豆:麹:塩=1:1:0.5の比率で増やす

左下から半時計回りに黒豆、米麹、塩

 

【作り方】

1./黒豆はよく洗い、たっぷりの水に12時間以上つけて戻す。

豆が途中で顔を出さないように多めの水で戻す

 

2./圧力鍋で豆を蒸す。蒸すと煮るより旨みが強くなる。鍋の底から5cmほど新しい水を入れて、底に皿などを入れて底上げし、ザルに豆を入れてフタをして加熱。蒸気が上がりはじめたら、軽く蒸気が出るくらいの火加減にして、約20分加圧して火を止め、15分ほど放置する。圧力鍋がないときは、鍋で豆が柔らかくなるまで3~4時間煮る。

加熱時間は鍋によって調節する

 

3./指でつまむと簡単につぶれるくらいの柔らかさになるまで加熱する。フタを開けるときはヤケドをしないように十分に注意する。

豆を押しつぶして固さを確認

 

4./豆をザルに上げて水気を切る。蒸し汁はあとで使うのでとっておく。

蒸し汁は捨てずにとっておく

 

5./豆を加熱している間に麹を準備。麹をボウルなどに入れ、固まりをほぐす。

手で固まりをほぐしてバラバラにする

 

6./麹に塩を入れて混ぜる。

麹に塩を加える

 

7./麹に塩をすりこむように、しっかり混ぜて「塩切り麹」にする。

麹に塩をもみこむように混ぜる

 

8./加熱した黒豆を大きいビニール袋などに入れて、手でまんべんなく押しつぶす。豆が熱いうちはつぶしやすいが、ヤケドに注意。つぶしたら、豆を人肌(36-38度)以下に冷ます。熱いと麹の酵素が働きにくくなる。

豆をしっかりつぶす

 

9./8のつぶした豆に、7の塩切り麹を加える。

豆と塩切り麹を合わせる

 

10./つぶした豆と塩切り麹をしっかり混ぜる。味噌だねが固いときは、とっておいた蒸し汁を加えて固さを調節する。固すぎると発酵が遅くなり、ゆるすぎるとカビが生えやすくなるので注意。耳たぶくらいの固さが目安。これで味噌だねが完成。

蒸し汁で固さを調節

 

11./清潔な容器に味噌だねを詰める。容器はあらかじめアルコールなどでふいて除菌しておく。味噌だねは空気を抜くようにボール状に丸め、容器に詰めていく。

空気を抜いて丸める

 

12./丸めた味噌だねを容器に入れる。

味噌だねを詰める

 

13./ギュッと押して空気を抜くようにして、みっちり詰めていく。

1個ずつ入れたら押して空気を抜く

 

14./全部詰めたら、表面を平らにならす。

表面を平らにする

 

15./容器の内側についた汚れなどは、アルコールをひたしたキッチンペーパーなどで拭いておく。カビの予防になる。

容器の内側を拭く

 

16./表面が空気に触れないように、ぴっちりラップで覆う。

ラップをぴったりのせる

 

17./塩などをビニール袋に入れて重しをする。重しはしなくてもよいが、したほうがカビの発生する確率が下がる。重さの目安は味噌の半量程度だが、それより軽くても問題ない。

ビニール袋入りの塩で重しをする

 

18./ホコリが入らないようにフタをして、仕込み完了。常温に置いて発酵熟成させる。熟成期間の目安は6か月から18か月。好みの味になったら冷蔵保存するとよい。なお、発酵熟成の途中でカビが出る場合もあるが、カビが出ても失敗ではない。カビは取り除けばOK。カビを取り除いたあとは、ラップを新しいものに交換し、容器の内側はアルコールで拭いておくとよい。

フタをして6か月以上発酵熟成させる

 

19./できあがり。

仕込み後約12か月

 

仕込み後約18か月

 

 

 

  • 焼き大根とブロッコリーの黒豆味噌汁(黒豆味噌を使ったレシピ)

 

【材料】(2人分)

・大根:5cm

・ブロッコリー:4~6房

・サラダ油:小さじ1

・ミョウガ:1個

・だし汁:300ml

・黒豆味噌:適量

 

【作り方】

1./大根は皮をむき、5mm厚さの半月切りにする。ブロッコリーは小房に分けて固めにゆでておく。

2./フライパンにサラダ油を入れ、1の大根を両面こんがり焼いて焼き色をつける。

3./鍋にだし汁を入れて加熱し、沸騰したら2の大根と1のブロッコリーを入れて温める。黒豆味噌を溶き入れて、沸騰直前に火を止める。お椀に盛り、ミョウガの千切りを添える。

 

 

撮影:信長江美

文・レシピ:オザワエイコ

手作り調味料研究家。編集者。自家製調味料の仕込み教室「かもしラボ」主宰。著書に『だからつくる調味料』(ブロンズ新社)がある。

 

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この記事を書いた人

編集部
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